社長ブログ:クマデ総研

職場体験学習

昨年11月末、職場体験学習という教育カリキュラムに協力したことに対して、先日渋谷区から感謝状が届きました。渋谷区のある中学校から月曜日から金曜日までの5日間、中学生がやってきて、うちの仕事の体験をしてもらったのです。

感謝状

弊社に来てくれた14歳のカオルくんから初めて職場体験のお願いのメールを貰ったのは昨年の夏のことでした。彼の中学校では自分で体験したい職場を探させて、自分で電話で依頼させるという非常に厳しい宿題を出しています。中学生が自分で会社に電話をかけるなんて、緊張しただろうなあ。

カオルくんに聞くところによると、職場体験の申し込みを他のデザイン会社にもお願いしたのだけれど、どこからも断られたり「社長に聞いておきます」と言われ、そのまま連絡が来なかったりしたという。電話だとガチャンと切られてつらい気持ちになるのでメールで依頼してきたのです。
巷の皆さんはビジネスモードになるとこのような中学生に非情な対応を取る方が多いようですが、金儲けのジャマになると感じているのか、理解ができません。

カオルくんは緊張しているのか借りてきたネコのようにおとなしかった。そりゃあそうです。当たり前だけどね。社員とみんなでいっしょにお昼を食べに行った時もお母さんから携帯に「おごってもらってはいけませんよ」などという電話が入ったりして中学生がいるだけで和やかな雰囲気が漂っていました。おごってもらうのも社会勉強なのだと教えましたけどね。

カオルくんに、クライアント様のプロジェクトの仕事を手伝ってもらうことはさすがに難しいので、デザインの勉強として自分の名刺と、年賀状のデザインをしてもらいディレクションしたり、デザインコンペに出したいというので入賞するためのノウハウなどのお話をさせてもらいました。プロが使用するデザインのソフトの使い方を習ったりして、大量にあるデザインの年鑑も山に積んで眺めていました。

中学生からビジネスのこと、そしてビジネスにはデザインが重要であることなどを教育できればもう少しデザイナーの価値も上がるのでしょう。学校の美術教育は「アート」のことしか教えず、生活の中で人間が密接に影響を受ける「デザイン」のことを教育しない。これは片手落ちだと思っています。美術でなくても社会の教科書でやってもいいくらいだ。

しばらくしてカオルくんの中学校から職場体験のレポート「職場体験新聞」の冊子が送られてきました。飲食店や福祉施設、工場などで職場体験してきた活き活きしたレポートを読んでいると中学生たちの緊張感や職場の大人の人達の暖かさが伝わって来ました。

デザイン会社を体験したのはカオルくんだけ。でっかく「デザインの重要性」と書いてある。そうそう、そのとおり!ポジショニングの図も描いてある。レベル高い。この新聞をこのままクライアントさんへ配布してもいいくらい。よくわかってもらえたようで嬉しく思いました。(↓クリックすると拡大されます)

新聞担任の先生も2度ほど弊社を訪問(視察?)にいらっしゃったり、毎日カオルくんのお父さんと日誌でコメントをやり取りするなど、周りの方も大変でしたでしょうが、カオルくんの人生にこの5日間が何か良い影響を与えることができたならば嬉しく思います。

職場体験という教育プログラムは高校生も行うべきだし、社会ももっと理解を示して受け入れるべきだと思います。「仕事のジャマ」は重々承知ですが、大人の責任として教育に感心を持ってほしい。この国の資源はすでに「人」しか残っていないはず。その「人」も年々減り続けるのだから、あとは教育で「クオリティの高い人」をつくるしかないのではないでしょうか。北欧の国々はかなり昔から気づいていて、すでに効果が上がっています。今はアジアの国々が教育にものすごい力を入れていることに気づいている人はどれくらいいるだろう。

今年の正月にはカオルくんから職場体験でデザインした年賀状をもらいました。ちゃんとオフセット印刷してあり、いっぱしのデザイナーじゃん、と驚かせてくれました。先日お父さんからメールを頂き、職場体験を経て成長が見られ、公募にデザインを出したりしているとのことでした。
4月からは3年生。受験が始まります。カオルくん、君ならできる。頑張れ!

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