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国民文化祭のロゴマークは高すぎるのか?TBSの「ビビット」で話題に

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TBSの朝の情報番組の「白熱ライブ・ビビット」で「ロゴ」に540万円は高すぎる?というタイトルで話題に挙げられました。昨日取材を受けた結果がどう取り上げられているのか、少しワクワクしながら見ました。

昨日のブログはこちら

TOKIOの国分太一さん、女優の真矢ミキさんが司会で、水曜日のコメンテーターはテリー伊藤さん、オリエンタルラジオの中田敦彦さん、タレントの?南美希子さん、弁護士の中里紀沙子さん。TBSの井上アナウンサーがファシリテーターとしてニュースを解説します。

女性レポーターが奈良県庁の前でマイクを握って話の経緯を解説そして取材ビデオ。水野学氏のデザイン料金が高すぎると、市民団体が訴訟。続いて国民文化祭の説明、セントくんの話題。おどろおどろしいBGMとともに。

訴えた市民団体代表の方にカメラ取材。
「過去のロゴマークは2〜5万円のコンペだったのに、なぜ水野氏と随意契約を選んだのか」

電話取材の音声で県の職員の声
「県議会の総会で水野さんが適任だとし、決定した」と説明。

次に市民団体代表県議の取材映像。
「随意契約を短い時間でかわすのはおかしい、極めて不透明だ。たった2日ではありえない。540万円のそれなりの理由がいる。そのために随意契約の書類を作って上司に決済を求めるのにも時間がかかるはず。」

次に先週の知事の会見映像。
「返金するつもりはまったくありません」「会議の内容、手続きといい、極めて公明正大であり、そのような方(水野氏)に決めていただいたので、光栄に思っている。県民の方もよくわかられると私は信じております。」とのコメント。

それに対し、真っ向から反対意見の川田県議のコメント
「公募で、素晴らしい作品がいっぱいあると。で、単独指名して、それ自体が、法律にももちろん合わないし、そんな決め方おかしいでしょと。」(おどろおどろしいBGM)

公募で、素晴らしい作品がいっぱいある?あるわけないでしょう。素晴らしい作品だったら、5万円ではなくせめて30万円の賞金を設定するべき。

女性ナレーションが「そもそもロゴマークの値段ってどうやって決められるのでしょうか?」
で解説ビデオが終わり、映像はスタジオに。

◆井上アナウンサー
「540万円が高いのか、安いのか?県としては、これで経済波及効果でもっといろいろな効果が出てくるので、高くはないんじゃないんですか、市民団体は決め方がおかしいし、540万円は高すぎるんじゃなんですか、と主張が分かれているんです。そこで私たちはデザイン会社4社に話を伺いました。」
とフリップ登場。

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「デザイン料は高いのか?2社が高い、2社が妥当だと、意見が分かれました。」
井上アナウンサーがフリップを読み上げ、説明。
おお!4つ目の、デザイン会社Nというのは、まさに、ノイエのNだね。金額も昨日言った通り、300万円になっている。著作権の譲渡をした場合に、と、赤い文字で強調されている。

◆井上アナウンサー
「では、どうやってデザイン料は決まるのでしょうか?主に三つの柱があるんだそうです。」とこのフリップをていねいに説明。
これも電話で僕が説明したことをきちんとまとめてある。昨日の夕方から今朝の放送の時間までに、フリップのデザインをして、イラストを描いて制作したんだなあ。テレビのお仕事って大変だなあ。

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◆国分
「あ、じゃあそのー国民文化祭は11月30日までですけど、そのあとも使うことによって、お金が変わってくるということですか?」

◆井上アナウンサー
「県としては半永久的に使いたい。だからこそ別に540万円は高くない。といった意見です。専門家の宣伝会議メディア統括の方にお聞きしました。 『用途の幅次第でピンキリ。一概には言えませんが、540万円は妥当ではないか。』県の担当者の話『グッズのデザイン案もいただいているので、文化祭の後も使用するつもりです。』これは中里さんはどう見ていますか?」

◆中里
「わたしは妥当な金額。高くはないと思っていまして540万円で売りきりっていうんですかね。その後2次使用と言って、いろんなグッズを作るときにですね、ライセンス料を貰うという契約ではなくってこれだけなんですね。ここからの波及効果がかなりあると、経済効果から考えると、540万は高くないんじゃないかな、というのが私の考えです。」

さすが、弁護士さん。権利に関しての価値も考慮に入れている。多くの人にデザインは知的財産であるという認識や意識を持ってほしい。

◆中田
「これ批判している県議の人たちの感覚ってなんかすごく古く感じちゃうんですね。公募でいいじゃないか、5万円で済むよって。ちょっとかなりデザインとかロゴマークのパワーというのを軽視していて、デザインっていうものにいくらかかるんだというのをしっかり見据えて、くまモンを当ててあれだけ熊本に利益をもたらしたあのデザイナーに頼もうとしたチームを、そういう理由で批判しているのは良くないと思うし、もし批判するにしても、このマークが全く経済効果を生まなかった後ですよね。現時点で高い安いっていうのを批判するっていうのはデザインに対しての理解がまったくないと言っているようなものだから、これを批判している県議はこのあとかなりそのセンスを問われてくると思いますね。」

あっちゃん、よく言ってくれた!そのとおり!

◆テリー伊藤
「これ、全然意味が違うと思うんですよ。あのーこれねえ、水野さんは怒るべきだと思うんですよ。500万が1000万2000万でもなんだっていいんですよ。水野さんは自分の作品を作ったんだから。今回はだから県の方も、ひとつしゃべる前に言わなくてないけないのは、今回は水野さんの件なんですけど、問題は随意契約で私たちはもめていますと。これを(540万円が高いということ)盾にしているだけですよ。」

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水野さんに謝れ!怒りまくるテリーさん。

テリーさん、相当興奮していて、ちょっと話がわかりにくい。

◆井上アナウンサー
「決定方法が問題なんだと思います。随意契約で2日間でなぜ決めてしまうんだ。ゆるキャラの経済波及効果が大きいのはわかる、でも、このロゴがそれだけの効果を生みますか、その点についてどこまで話し合いましたか?という批判なんです。」

◆テリー伊藤
「それさあ、全部、水野さんと関係ない話だよ。」

◆国分
「本当ですよね」

◆テリー伊藤
「内部抗争でしょう。だから、水野さんに対してちゃんとこれは謝りに行って、申し訳ありませんでしたと言わないと」

◆中田
「これはシンプルな内部抗争ですね」

◆テリー伊藤
「筋が全然違うんですよ。クリエーターに対するね、あまりにも失礼な話だと思う」

みんなの意見が錯綜し、声が重なってしまい、怒っています。
テリーさんが言いたいことは、一見、デザイン料金が高額だとか、決め方が納得いかないということを主張しているが、それらを盾にして、内部抗争に利用してんじゃねえか、デザイナーに失礼だから、謝れ!と言っているのだと思います。

◆中田
「随意契約で決まった、それが2日間だ、手続きがあったのか、という話も僕はいちゃもんにしかきこえないですけどねえ」

◆南
「不透明な資質が注目されているから、なんかその流れで、何でもかんでもという気がしますよねえ。」

◆井上アナウンサー
「裁判がどういう判決を下すかですよね、市民団体の方々の意見、デザイン料というのはなかなかわからない、一定額を決めづらい…(テリーさんの声にかき消される)」

◆テリー伊藤
「デザイン料を盾にして自分たちの内部戦争をやっているわけですよ。」

◆真矢
「そう思うと(国立競技場の)ザハ氏のデザイン料なんか、なんだったの、デザイン料でなん億ってかかってて、て感じでしたもんねえ」

◆テリー伊藤
「名誉毀損で訴えられたらどうするんですか、これ、水野さんに。俺を巻き込むなと、そんな、裁判沙汰に!」

そんなことはないと思いますが…。テリーさん怒りすぎて、面白い。

◆井上アナウンサー
「でもこれによって県の内部構造も明らかになった部分もありますので、なにはともあれこの裁判がどういう判決を下すのかということになるんだと思います。」

◆真矢
「はい、注目です。さあ、続いては、ビビットフォーカスです…」

みなさん、興奮して、とても面白かったのですが、オリラジのあっちゃんがいいこと言ってくれました。「価格が高いとか文句つけるなら、経済効果がなかった後にもんくつけろ」って、本当にそのとおり。くまモンのデザイン料は500万円だというが、熊本県で、市民団体が、500万円は高い、と言って裁判を起こしていたら、そうとう恥ずかしいことになっていただろう。くまモンは現在1200億円以上の経済効果と言われている。24000倍の投資効果とすれば、この買い物はとてつもなく安い買い物。まあ、結果論ですが。今回の国民文化祭のデザインはキャラクターのような稼ぎ方は難しいと思いますが、デザインというものはこういう力がある、ということをもっと認識してほしい。

一つ気になったのは、「民間だったら良いけれど、自治体は税金だから、高い金額はだめだ」という意見だ。これは、この番組ではなく、他の番組のコメンテーターが言っていましたが、僕は逆の意見です。おとといのブログ(コチラ)にも書きましたが、公共のデザインこそ、高い金を払って、質の良いものを供給していく必要があると思っています。
欧米の公共デザインは本当に素晴らしい。鉄道やベンチ、街灯などの工業デザインも、公共のサインデザインや、自治体のエンブレムやロゴマークも素晴らしいデザインがたくさんある。公募なんかでデザインの素人に安くデザインをさせたりはしない。一流のプロのデザイナーに大金を出して依頼しているケースの方が多いのだ。これはもう、文化レベルの違いと言わざるをえないだろう。っていうか、欧米の考え方のほうが当たり前だと思うのだけれど。だって、公共なんですから。

もうひとつ、嘆いてしまうこと。
4つのデザイン会社に取材して、フリップになっていましたが、「完成品のクオリティーだけを見ると高すぎる。弊社なら50万円」と答えたデザイン会社B、この会社は何にもわかっていない。この会社と「弊社なら25万円」と言っていたデザイン会社Fは、ロゴマークの料金は作業料としか思っていないのだろう。デザインの力も理解していないし、知的財産だということも認識していない。

月給いくらのデザイナーが何時間かけて何案作ったから、これくらいの価格かな、みたいに、デザイン制作を工業製品的にしか考えていないのだろう。クラウドのロゴ制作のサービスでは5万円で20案提案してくれる、とかいうサービスがあるが、ここらへんのデザイナーと同じマインドだ。ロゴなんて形を作ること。それこそ市民団体が言う「ただの絵」としか思っていないのではないのか?つまりは、「デザインの価値」をわかっていないデザイナーなのだ。そんなのはデザイナーとは呼ばない。造形職人だ。

デザイナーは、こういう時こそ、デザインの力や価値を知ってもらう努力をしなくてはならないのに、540万円は高いとか、何言っちゃってるんだ。このようなデザイナーがまだまだ多いので、日本のデザイナーの地位が低いのだよ。市民団体がアホなことを言うのだよ。オリラジのあっちゃんやテリーさんの方がよほどわかってるよ。彼らはクリエーターだよ。
僕もテリーさんみたいに、怒りまくってしまいました。

デザイン経営
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熊谷淳一

熊谷淳一

株式会社ノイエ 代表取締役。デザインで経営を伸ばす経営コンサルタント・クリエイティブディレクター。デザインは第5の経営資源としてデザイン経営とマーケティングの研究にいそしむ。 お酒、書と陶芸が好き。 尊敬する人は岡本太郎。
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