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良いロゴマークと悪いロゴマークの違い

先週のブログに書いた「この仕事をやっていて、とっても悲しくなること。」という記事に、shizukaさんからコメントで、質問をいただきました。
記事とコメントはこちら

「ロゴについて、私のような素人にはやっぱりよくわかりません。良いロゴと悪いロゴの違いっていったいなんなのでしょうか??」

という問いに、この記事で詳しくお答えしようと思います。

ロゴマークを作成する場合のポイントとしては4つあります。

1. 企業の理念を形にできているか

ロゴマークは、企業の思いや考え、世界観などを形にした、ブランディングの旗印です。その企業「らしさ」が視覚化されている必要があります。

2. 機能的なデザインか

間違った読まれ方をしたり、読みづらかったりしていないか、視認性、可読性、判読性をチェックします。さらにロゴは様々なものに使用されます。縮小した時、縦位置になった時、横位置になった時、1色刷りの場合、などいろいろな使い方をしても、デザインのイメージが変わってしまわないような機能的な工夫が必要です。

3. 造形的に美しいか

美しいか美しくないかは、人によって違いますが、デザイナーの経験とセンスによって、作られるものが美しいかどうかの差は確実に存在します。見る人がわからないだけなのです。

4. 個性的なデザインか

どこかで見たような、どこにもあるような、個性がない凡庸なデザインではなく、企業の印象を強く与えるためには個性が必要です。(場合によっては故意に没個性的なデザインにする場合もありますが。)

この中で、デザイナーではない一般の人が見てもすぐ分かる、2番目の「機能的なデザインかどうか」というテーマのお話しをしていきたいと思います。

「機能的なデザインかどうか」の基本的なポイントは次の4つです。

1 文字の認識
2 色彩
3 形
4 書体

1 文字の認識に関して

文字がきちんと読んでもらえるかどうか、ということ。視認性、可読性、判読性を見ていきます。
視認性とは、見た瞬間にその文字や形を認める事ができること。じ〜っと見ないとよくわからない、というのはNGです。

可読性とは、正確に読んでもらえるかどうか。ちらっと見た瞬間に、文字だと認められても、間違って読まれてしまってはNGです。

判読性とは、正確に判読してもらえること。じ〜っとみても、どう読むのかが判断できないのはNG。

2 色彩に関して

色のコントラストのコントロールが悪いために、視認性、可読性が悪くなてしまわないか、チェックします。

色の持つイメージも、その会社にふさわしいものなのか。たとえば、黄色は、明るい、元気、新鮮、輝き、温かみなどのイメージ。青は、静的、知的、信頼、モダン、都会、冷静などのイメージ、赤は、動的、躍動、元気、情熱、感情的なイメージなど、伝えたいイメージによって色の選択をしていきます。あまりにも逆のイメージの色を使っているのは問題です。

こちらの記事にも詳しく載せています。
色の心理的効果【色の連想と象徴】

3 形に関して

美しい形はデザイナーのセンスにかかっています。明らかに、絵が下手、形がいびつ、バランスが悪いなどのロゴもよくあります。

細いラインを使ったデザインや、細かいイラストを入れこんだデザインは、縮小した場合に、線が細ってしまい、イメージが変わって見えたり、イラストがつぶれてしまったりして汚くなります。

経営者の中には、縁起の悪い形を嫌がる人も少なからずいます。絶対にやってはいけないことではありませんが、知識として知っておく必要があります。デザインが決定してからやっぱり変更して、なんて言われかねませんからね。

4 書体に関して

書体には歴史があります。同じアルファベットでも、19世紀のアメリカをイメージさせる書体、ローマ時代の遺跡の書体、ドイツ文化の書体、フランス文化の書体等、書体にはそれぞれの国のある時代にはやったものなど、文化的なイメージを含んでいるものが多いのです。その歴史を知らないで、変にフランスっぽいイメージになってしまったり、和食のお店に中華っぽい書体を使ってしまったり、デザイナーの勉強不足のせいでおかしなロゴもたくさんあります。

現代にデザインされた書体にしても、書体の持つイメージと企業のイメージが合っていないロゴもあります。どう見せたいか、どう見えるべきか、というコンセプトが定まらないまま、デザイナーの好みで書体を決めているのが原因です。

以上、良いロゴマークと悪いロゴマークの違いについて、基礎的な部分のみを書いてきました。ここにあげたことが絶対というわけではなく、あくまでも基本的な部分です。本当はもっと様々な条件や要素が複雑にからみあいますし、場合によってはあえて逆のことをしたりもします。これらを参考にご自分のロゴが良いロゴなのかどうかを自己チェックしてみてください。

ちなみに。クラウドソーシングなどで、安い価格でロゴをデザインしてくれるサービスがありますが、最初に書いた4つのポイントをまったく考慮に入れていない、魂のない形だけのロゴマークが出来上がってくることが多いので、オススメしていません。

デザイン
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熊谷淳一

熊谷淳一

株式会社ノイエ 代表取締役。デザインで経営を伸ばす経営コンサルタント・クリエイティブディレクター。デザインは第5の経営資源としてデザイン経営とマーケティングの研究にいそしむ。 お酒、書と陶芸が好き。 尊敬する人は岡本太郎。
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