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「根拠のない自信」それこそが自分を信じるということ

自分に価値があるという日本人の割合は少ないという調査を見た。

世界の高校生を対象にした調査で「自分が価値のある人間だ」と思う割合は36%で調査対象の国で最低水準。

ちなみにアメリカ人は90%、中国でも85%以上が自分に価値があると思っているらしい。まあ、この人達はそうでしょうね。

日本には「謙譲」という奥ゆかしい文化があるからなのか、まわりに認めてくれる人が少ない社会なのか、3人に2人も自分に価値があるとは思っていない。日本の将来はどうなるの?

価値があるとは一体どういうことなのだろうか。人のため、社会のために何らかの役にたっている、だれかに喜んでもらっている。存在に意味がある。おそらくそういったことなのであろうと思うのだが、そういうことを感じられない生活というのはどういうことなのか。

目指すレベルが高すぎて、自分なんてまだまだと思っているのか。行き過ぎた謙譲なのか。

これはきっと自分に自信がないのだと思います。

成功する人は自分に自信があります。自信を持てるようになるには、過去に大きな実績を持っている人のみが自信を持つことができると思っていました。

成功すれば自信を持てる。でも、それではいつまで経っても成功できません。順番が逆だと思うのです。

「根拠のない自信」それこそが自分を信じるということ。

そもそも「信じる」ということとは保証がなくても信頼を持ち続けること。たとえば、ある人がお金を貸して欲しいとやってきて、身辺調査をしたら土地も家も持ってるしでお金持ちのボンボンだった。じゃあお金を貸してもいいだろう、と言うのはこれは彼を信じてお金を貸しているのではありません。何かがあっても、売却する家や土地や親がいるから安心だというお金が帰ってくる根拠があります。だから貸すのです。家を担保にお金を貸す銀行なんてそうですよね。

もう一人の男がお金を貸して欲しいと来て、身辺調査をしたら貧乏で何もない。でもその男を信じてお金を貸す。戻ってくるかどうかわからないけれども、戻ると信じてカネを貸す。これが「本当に信じる」ということ。そこにはお金が戻ってくる根拠がありません。だからこそ、この行為は「信じる」ことなのです。

いまはうだつの上がらないヤツだが、きっと将来は成功する。根拠はないけれどそのように自分を信じてあげる。

今は最低の成績だが、今にきっと良い点数を取れるようになって、立派な社会人になる。と自分の子供を信じてあげたい。

今は太っちゃったけれど、じきに昔のようにスマートになる。と、自分の妻を信じてあげたい。

根拠はなくても、ないからこそ信じる。信じられることが本当に信じるということ。

もっと自信を持って、自分に価値を感じられる若者が増えてくることを願います。

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熊谷淳一

熊谷淳一

株式会社ノイエ 代表取締役。デザインで経営を伸ばす経営コンサルタント・クリエイティブディレクター。デザインは第5の経営資源としてデザイン経営とマーケティングの研究にいそしむ。 お酒、書と陶芸が好き。 尊敬する人は岡本太郎。
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