鎌倉は家族でよく遊びに行きます。あじさいも終わって、曇り空だからなのか、人もそんなに多くなく、歩くにはちょうど良い天気でした。
まずは銭洗弁天へ。学生の時にきたきりで久々です。あの時はまだ若かったので一万円札をじゃぶじゃぶ洗っているおっさんを白い目で見ていましたが、自分がおっさんになった今、僕も一万円札を一枚だけソロソロと洗いました。ご縁が増えるようにとうちの貯金箱にあった5円玉もザックリ持ってきて洗ってきました。
源氏山公園で弁当を食べていたら、カラスが近づいてきて、なんとベンチに置いてあった「じゃがりこ」のパlケージをサッとくわえて持っていかれました!蓋があいていたのに、こぼさないように垂直にしたままくわえていったのにはオドロキ。あまりの利口さに気持ちよくカラスに「じゃがりこ」をくれてやりました。
山を降りて鶴岡八幡宮へ。若宮大路の鳥居の前に鎌倉彫りのお店があります。
まだかみさんと結婚する前の20代前半の頃にこの店の前の前でかみさんが「このお店覗いて行こうよ」と言ったので、僕は「鎌倉彫なんてババくさい。50歳になったら買ってあげるから」と言って店に入らなかったのです。そして今年、かみさんが50歳になったので、数十年ぶりにきてみたのでした。今までに何度か鎌倉には来ていたけれど、この店にはいるのは始めて。僕もこの歳までに陶芸をやったり、工芸品を見て歩いているので鎌倉彫りの美しさは理解できるようになりました。
あの頃50歳なんて遥か未来のことだと思っていた。いつのまにか時がたってしまいちょっと複雑な気持ちです。
木彫りの手鏡に映ったかみさんと僕の顔を二人でじっと見つめて、歳とったよな〜なんて互いにささやいて。
50くらいになったらお金持ちになっていて大きな鎌倉彫りのお盆を買ってあげられるかな、なんて思ってましたが、全然まだお金持ちではありません。この日は慎ましく夫婦箸を買いました。
創業100年以上もたつ、ダンディなこのお店のご主人に20年以上前のこのことをお話ししたら、にこやかに談笑していたご主人が急に神妙な顔になって体をくの字にしてぺこー!と深々とお辞儀をしてくださいました。100年も続くお店を経営していると、いろんなお客さんがいるのでしょう。お店が続いてくれているおかげで、僕たち夫婦のこんな話もできるのです。
しかし、ぼんやりしているとあっという間にじいさんになっちまう。がんばらなきゃ!
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