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中小企業の生産性を向上させるためには

ここ数年で、日本の働き方の環境が変化してきています。

政府も働き方改革の方針を示しました。最低賃金の底上げや、正社員と非正規社員の賃金を同じにするなど、短期間で数々の施策を打ち出しています。

しかし小さな会社は人手不足の上に、人は思ったように動いてはくれませんし、大企業クラスの優秀な人材を新卒から集めることも難しいでしょう。仕事をしながら育成していかねばなりませんし、時間がかかります。

働き方改革の方針にしたがって労働時間を削れば、倒産する中小企業がたくさん出てくるかもしれません。

 

先日、働き方改革のセミナーに参加した折に、講師の社会保険労務士の先生に尋ねてみました。

「政府は中小企業が潰れちゃっても良いと思っているんですかねえ。働き方改革について、社労士さんとしてはどう思いますか?」と。

そうしたら思いがけない答えが返ってきました。

「そうですね。政府は生産性の悪い中小企業は潰れても仕方がないと考えていると思います。なんせ日本の中小企業の80%は法人税を払っていません。何年も税金を払えないならば、それは経営が健全ではない証拠です。そういう会社はどんどんこれから倒産するでしょう。」

確かに日本の労働生産性は、47年連続で主要先進7カ国(G7)で最下位です。

労働生産性とは、労働時間や労働者数を分母として、分子に生み出された付加価値をおく計算式で示されます。

100万円稼ぐのに2人で働くのと、10人で働いて稼ぐのでは労働生産性は2人で稼ぐ方が5倍も高く、同じ人数でも労働時間が短い方が効率が良いですよね。

だから政府としては、労働時間をもっと短くする工夫をしてほしい、ということなのかもしれません。

 

生産性を上げるためのもう一つの方法は、分子の付加価値を上げることです。
100万円で売っていたものを120万円で売れれば生産性は高くなります。

それでは一体これらをどうやって実現させればよいのでしょうか?
政府が言っているのは二つ。

設備投資とITの活用です。
そのための補助金や、貸し付けの優遇措置をたくさん用意しています。

しかし僕は設備投資やITを活用すれば売り上げが上がるのかどうかは疑わしいと思っています。

これらはコスト削減には役立つかもしれないので、分母の数字は小さくなるでしょう。しかし景気が良い時はいいかもしれませんが、不景気の時はいかに他社と差別化して高く売るのか、分子の数字を大きくしなければなりません。

そのためには中小企業は販売にもっと力を入れなければならないのです。
どんなに効率よく、コストを安く、製品をたくさん作っても、売れないまま在庫になっていては、まったく意味がありません。そんな中小企業は今までもたくさん存在します。

たくさん販売するために、そして高く売るために、マーケティングとデザインに注力するべきです。
中小企業もブランディングを行い、他社と差別化して自社の価値を高めなければならない時代だと思います。

オリンピック終了後の不景気到来を目前にして、中小企業の経営者は生産性向上の対策を急がなければならないと感じています。

経営
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熊谷淳一

熊谷淳一

株式会社ノイエ 代表取締役。デザインで経営を伸ばす経営コンサルタント・クリエイティブディレクター。デザインは第5の経営資源としてデザイン経営とマーケティングの研究にいそしむ。 お酒、書と陶芸が好き。 尊敬する人は岡本太郎。
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