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お手軽デザインサービスの危険性

デザインの大安売りをするサイトを見つけました。

登録デザイナーにコンペをさせて、お客さんが何十種類という中から自分の好きなデザインを選ぶというしくみ。価格も決まっているので、高い金額を後から請求されないし、安心、お得という訳です。ただし、修正は3回まで。らしいです。

このようなサービスを利用する人たちの気持ちはわかります。デザイナーに依頼するとお金がかかるし、たくさんのデザインから選べるならば、安心だし。

しかし、裏の事情を知っている僕から言わせればやめた方が良いと思います。

弊社に面接に来たデザイナーが言っていましたがあれは売れないデザイナーがお小遣い稼ぎでやっているもので、今までにボツになったデザインを使い回しして再利用していたり、デザイン年鑑や資料からパクって著作権アウトのものが結構あったりするのです。著作権で訴えられたらビジネスはほぼおしまいです。ものすごい損害賠償を食らいますし、裁判では絶対に不利です。その責任はデザイナーが取ってはくれません。コンペに通らなければ収入になりませんので、とにかくたくさん作ります。ホイホイと作ってはコンペ、コンペです。時間をかける事はしませんし、かけられません。

クライアントさんの顔も見えないままにデザインすること。それは何のための誰のためのデザインなのでしょうか?
それは自分のためのデザインであり、エゴなデザインです。そのデザインが金になればあとは知らんぷり、そのデザインを使う人が売りあげが上がろうが下がろうが関係ないのです。その会社がつぶれたって胸も痛めませんし、自分のデザインを使う人がそもそもどこのどなたなのか知りません。

心のないデザイン。テクニックだけの造形であり、ただの形です。そんなものを大切な自分の人生をかけた商売に使えるのでしょうか?安くて得をしたと思っているのでしょうか。まあ、思っているのでしょう。

そして何より、一番そういうお手軽デザインに欠けているものは、マーケティングがないという事です。

売るしくみもないままに、どんなにきれいなデザインを使っても売れません。そもそもきれいなデザインであれば売れるという事はないのです。これはお手軽デザインサービスではない、まっとうなデザイン会社にも言える事です。

プロに依頼すれば大丈夫。とは限りません。売るためのノウハウとデザインを作るノウハウはまったく別ですし、そんな教育もデザイナーは受けていません。デザインのプロかもしれませんが、販売のプロではないのです。

結局お手軽デザインサービスで安くデザインを手に入れても効果は期待できないでしょう。

何をもって安いのか、高いのか?ビジネスで儲けられれば安いし、儲からなければ高い買い物になるのです。

経営者はどこにお金を投資すれば良いのか、よく考えなければなりません。デザイナーを選ぶのは経営判断です。

経営
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熊谷淳一

熊谷淳一

株式会社ノイエ 代表取締役。デザインで経営を伸ばす経営コンサルタント・クリエイティブディレクター。デザインは第5の経営資源としてデザイン経営とマーケティングの研究にいそしむ。 お酒、書と陶芸が好き。 尊敬する人は岡本太郎。
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