トムピーターズのマニフェストシリーズで「 デザイン魂」という本を読む。帯には
「狂気と混沌の時代よ、ようこそ!
デザイン、それは愛!嫌悪!
とりこにするもの、と・り・こ!
簡潔さと才能の幸福な結婚だ!そして、夢!夢!夢!」
とある。なんだコリャ。トムピーターズでなければ、怪し過ぎてきっと買わないであろう。
トムピーターズは「エクセレント・カンパニー」を著した著名な経営コンサルタントである。この本の内容は興味深かったのだが、読むのに、苦労しました。細長くてめくりにくいし、文字は小さいし。あるページは写真のキャプションですら、使うのをためらう、6ポイントの大きさで200文字以上も続いているなど、デザイン論のくせに、本のデザインが悪すぎ。
このデザインはアメリカのオリジナルデザインなのか、調べてみたら、やはりアメリカの出版社のデザインを、翻訳してレイアウトしたようだ。英文であれば美しいレイアウトやデザインも、日本語にしてしまうと、まとまらないことはよくあること。しかし、英語のオリジナルの裏表紙には次のようなコピーが印刷されていた。
design rules
Design is about passion,emotion,
and attachment-and it must be
at the heart of every business
どうやら、オリジナルは「デザイン魂」なんかではなくてdesign rulesというらしい。その下は、「デザインは情熱に関係している、感情に関係している、そして愛着心を抱くということに関係しているーそしてそれはどんなビジネスにおいても中核でなければならない。」とでも訳せるだろうか。この言葉には、ぴぴんと来ました!この本の内容を、デザインの核心をうまくまとめていると感心した。と同時に、日本の訳のわからん帯のコピーは、何とかならんのかと、本当にげんなりしてしまいました。しかし、内容は、いかにデザインが経営に必要かと言うことを熱く語ってて、デザイナーにも、経営者の方にも役立つ本です。今は、絶版になってしまったのでしょうか、べらぼうな値段が付けられているようです。このような本が絶版になってしまうほど、経営者はデザインのことを重要に思っていないと言うことなのでしょうね。だからこそ、早く気がついた経営者にはチャンスがあるのです。
amazon→トムピーターズのマニフェスト「 デザイン魂」
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