社長ブログ:クマデ総研

残念な日本選手団のユニフォーム

オリンピックの開会式を見るのはいつもワクワクする。アートとデザインとハイテクを駆使した演出で、感動させてくれます。今回のロンドン・オリンピックも素晴らしかったのですが、一つ残念な事があります。それは日本選手団のユニフォームのデザインが残念だったということ。

まあ、お祭りなんだから、そんな事どうだっていいじゃないといえば、それまでですが、デザイナーの立場からはそんなふうには思えません。

毎回各国の選手団の入場行進を見るのを毎回楽しみにしています。200を越す国々の人々の人種や民族の違いや、国民性などの文化の違いを見ていると、さながらディズニーランドのイッツ・ア・スモールワールドを見ているようでとても楽しく、感動すらしてしまいます。

いよいよ日本選手団の入場が始まると、高まった気分は一気にしぼんでいくのを感じました。「なんじゃこりゃ?東京オリンピックか?」微妙に丈の短いジャケットにさえないデザイン。個性もなければ新しさもない。さっき入場してきた中国選手団とそっくりだ。彼らは黄色いマフラーをアクセントにして、そこそこオシャレ感を演出しているが、日本のユニフォームは何の変哲もない。一体誰のデザインだ?

ネットで調べると高島屋の提案という。提案された2種類のデザインを見たが、どちらもダメ。

高度成長時代の東京オリンピックでは日の丸をイメージさせた石津謙介氏のデザインの赤白のスーツが日本国民を感動させました。

しかし、時代は進み、大震災に遭い、現在でも放射能を垂れ流している日本としては今ここで日本のメッセージをユニフォームのデザインで発信してほしかった。

こんな地味なデザインでよいものか?グレーのスーツはさすがに今の日本には暗いイメージ。だからといってこの赤白のスーツは体のラインも美しくなく無個性でどこかの高校の制服のような地味さ。僕はファッションの専門家でないのでこのダメさを上手に表現できませんが、個性がない、新しさがない。これはオリンピックのユニフォームのデザインとしては残念だと思っています。

先の中国のユニフォームはアメリカのタイム誌の「2012年ロンドンオリンピック、ベスト&ワーストユニフォーム」でワーストに選ばれています。朱色のジャケットと黄色のネクタイで構成されたユニフォームはまるでマクドナルドのキャラクター「ロナルド・マクドナルドを連想させる」と酷評されていますが、デザインがそっくりな日本は話題にもされていません。

アメリカはラルフ・ローレン、イタリアはアルマーニ、イギリスはステラ・マッカートニー、小さい国のサンマリノ共和国はフェラガモなど、自国のイメージ戦略を各国はちゃんと考えているのに、日本のお偉いさんはそこのところは無関心なのか。

日本のファッションデザイナーだって優秀な人はたくさんいるだろうに。

最後に入場したイギリスのユニフォームなんて白にキンキラの金色の襟で、僕は好きではなけれどチャレンジングでいいと思いました。イタリアはさすがにカッコいい。デザインに国家が力を入れている韓国もセーラー服をコンセプトにしたデザインで、ビシッと決まっていた。これらの国はベストユニフォームに選ばれていました。

高島屋だろうが、三越だろうが何でも良いのですが、デザインにこだわってほしかった。

別に有名なデザイナーでなくても構いません。南の小さな国や聞いた事ない国だって、その国ならではの民族衣装や文化を現代的にアレンジした個性を持たせた服がとても素敵に見えました。

カッコいい、悪いというよりも、日本民族ならではの個性的なデザイン、ちょっと違和感があってもいいから新しいデザインが欲しいと思いました。和柄をモチーフに使ったり、和服の要素を取り入れるとか、日本の文化は世界に誇れる個性的なデザイン要素がたくさんあるのだから。世界中が注目する開会式は日本の文化やデザインをアピールする良いチャンスを生かして、国はもっと努力しなければならないと思います。

今回の日本のユニフォームのコンセプトがわかりません。日本の国旗のイメージというのならばまったく新しくないし、そんなデザインは誰だってできる。赤と白を使う事が悪いというのではなく、使い方に新しさがない。日の丸のイメージをコンセプトにするのなら、 日本を代表するアーチストの草間彌生氏に依頼して全身を赤白のドットだらけにするとか、そこまでやってほしいものです。これは冗談ですが(笑)。

「ルイ・ヴィトン―ヤヨイ・クサマ コレクション」新宿伊勢丹

デザイン
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熊谷淳一

熊谷淳一

株式会社ノイエ 代表取締役。デザインで経営を伸ばす経営コンサルタント・クリエイティブディレクター。売れるデザインをつくるためにマーケティングの研究にいそしむ。 酒好き。書と陶芸好き。 尊敬する人は岡本太郎。

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コメント

  1. ゴットマム より:

    まったく、何十年も脈々として、超シンプル 面白くないデザイン!  国民をがっかりさせてくれるもんだとあきれ返る
    これにはきっと、いいデザインを握りつぶす構造が
    あるのではないか?
    そう確信させるひどさだ。
    お願いしますよ!次は。

    • 熊谷 淳一 より:

      ゴットマムさん、コメントありがとうござます。
      今年のリオオリンピックも見事に国民をがっかりさせてくれましたね。

  2. だりだ より:

    ユニフォームも公募にしたらよいのにと思います。勿論東京五輪ロゴの時の失敗を踏まえて、可能な限り公正な審査方法を整備するというのが前提ですが。

    夏季五輪の日の丸スーツや、冬季五輪の無個性な白いコート等、各方面に色々批判されるのを避けるために、デザイン自体を放棄したのかなという印象を受けますね。

    • 熊谷 淳一 より:

      だりださん、コメントありがとうございます。批判される事を嫌い、無難なデザインに落ち着くのであれば、なんと残念なことでしょう。「和を持って尊しとなす」のは素晴らしい日本の文化ですけれど、デザインには「和」は必要ありません。「違和感」こそ新しいものを作るのに必要なことだと思います。

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