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記憶される人と記憶されるロゴマークの共通性

定期的なセミナーで久しぶりにお会いした人の顔と名前が一致しないことがあります。

「ええと、今日お会いするのははじめてでしたっけ…?」などと恐る恐る名刺交換をするような事が最近多くて、大変失礼ですね。反省してます。

記憶力が衰えてきたせいもあるのですが、かたや確実に忘れない人もおられます。

やはり他の人と何か違う人。むしろ良い方向ではなく悪い方向で違うものを持っている人。例えば「この人の高飛車な言い方はなんか鼻につくな」とか「テンション高すぎで、声がうるさい」とか「こいつ自分のこと大好きなんだろうな」みたいな人とか、最初は嫌なクセを感じる人のほうが記憶に残ります。

そのままだと、単にあいつは高飛車な人、この人は自己顕示欲が大きい人、なんてレッテルを張ってしまうのですが、これはまったくこちらの一方的な「イメージ」なのですね。

実際に何度もお話をしていったり、本人のブログを読んだり、他の人の評判を聞いていくうちにその人の本当の姿がだんだん見えてきます。

実はものすごい頑張り屋さんだったり、積極的な行動派で皆さんのために働いていたり、豊富な知識量を持っていたりと、良い面も見えてくるのです。

ロゴマークのデザインをするときも、このような「クセ」を持たせることに留意します。

ただの美しいデザイン、無難なデザインでは記憶に残らないのです。最初は「なに、これ」という感想を持ってもらったマークのほうが成功しやすいのです。

最初の違和感が時間がたつに連れて慣れてくると、それは個性という名前に変わり、 輝き出すのです。

なぜ輝き出すのか?ロゴデザインを何年も見続けているだけでは意味ありません。ロゴマークにまつわる情報、つまりその企業の情報を発信していき、消費者の生活の中で接触頻度を高めていき、そして自社の魅力的な部分を理解してもらうという継続的な努力が必要なのです。

例えば、NTTドコモが最初に設立した時のロゴマーク、 デザイナーの僕でさえ「なんじゃこれ」と思いました。しかし携帯電話が出始めたあの当時ですから、圧倒的な強さと企業イメージの高さを誇るロゴマークになりました。

アサヒビールもびっくりしました。新聞全面に新しいロゴが発表になったその日のことをいまだに覚えています。「文字が

斜めに変形されすぎて気持ち悪い!」と、やはり違和感を感じました。しかしその後のスーパードライやブランドのイメージが高まっていくに連れてむしろ「かっこいい」と感じ始めます。

 

マークのデザインは大切ですが、むしろそのあとのブランディングを育てていくプロセスのほうが重要です。ブランディング戦略に、クオリティの低いデザインでは成功するのに時間とお金がかかりますし、どんなにかっこいいマークだとしてもブランディングのプロセスが十分でなければ輝きを持たないのです。

ドコモのマークが新しくなってしばらくたちますが、このなんもクセがないロゴデザインが輝くのはいつのことでしょうか?

デザイン
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熊谷淳一

熊谷淳一

株式会社ノイエ 代表取締役。デザインで経営を伸ばす経営コンサルタント・クリエイティブディレクター。デザインは第5の経営資源としてデザイン経営とマーケティングの研究にいそしむ。 お酒、書と陶芸が好き。 尊敬する人は岡本太郎。
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