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最もクリエイティブな国と都市は日本、東京

アメリカのソフトウエア会社のアドビが創造性のある国と都市の調査をしました。

アメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、日本の5カ国の中で比較してどの国や都市が創造性があるかの意識調査です。

回答者の36%が「最もクリエイティブな国は日本」を挙げ、米国の26%を上回ってトップでした。英仏独では日本をトップに挙げた人が多数でしたが米国と日本では米国を挙げた人が最多でした。

ここで言っている「クリエイティブな国」の意味がどういう国なのか今ひとつわかりませんが、勝手に想像すると「新しいものがある」「今まで見たことのないものであふれている」とか「こんな事やっていいのか!」みたいな斬新さが見られる国ということなのでしょうか。

最もクリエイティブな都市は東京で、28%。次が僅差の27%でニューヨークでした。

たしかにロンドン、パリ、ベルリンの街並みは歴史的な建物が圧倒的に多く、見かけは斬新なイメージはしません。しかし東京は近代的なビルの谷間に、昭和の香りがする住居や商店がひしめき、混沌としています。ネオン街なんてニューヨークと東京はかなり激しいですがヨーロッパはあんな過激ではありません。ヨーロッパの人から見れば東洋と西洋、伝統と現代の二面性がごちゃごちゃになっているので、「斬新」に見えるのかもしれません。

ジャンル別に見るとダントツに高い数値なのが日本のアートコミュニティに対するクリエイティビティです。日本の音楽やファッション、デザインなどのアートの分野が非常に高く評価されています。竹下通りを歩いていると「こんなのありか!」といったようなファッションをした宇宙人がたくさん歩いていますね。そういった意味では僕もクリエイティブな都市なら東京に一票入れますね。

しかし自らを「クリエイティブだ」と思っている日本人は19%で最下位。平均では39%で、アメリカは52%が自分たちがクリエイティブだと考えています。アメリカ人っていつもそうね。

自分たちのクリエイティビティーを発揮できているかどうかという質問に「Yes」と答えたのも日本人は17%しかいなかった。やはり自信がないのですね。

日本の国内にいると、自分たちにとっては特に斬新には見えないのかもしれません。和洋折衷だって当たり前だし、数千年の歴史と現代の最先端が同居している場面だってあたりまえですから。

大切なのは自分たちの立ち位置を日本の外から見てクリエイティブなのかどうかを認識する事なのでしょう。日本人は他と比べてこんなに違う。それがユニークで面白いんだと認識していない人が多いように感じます。それはみんな内向きだから。感覚が村人だから。視野を広く、視点を変えることをすれば自分たちがいかにユニークかクリエイティブなのかが見えてくると思うのです。

僕は22歳の時に アメリカへ 初めての海外旅行をしました。それまでは日本の伝統的な美術はあまり関心なかったのです。しかしメトロポリタン・ミュージアムで日本の美術の特別展示をやっていて、それを見てから自国の文化の素晴らしさを意識しました。30日間もアメリカを旅行していたものですから、懐かしさもあったし新鮮な見方ができたのかもしれません。今までとは違うものに見えたのです。

日本人が内向きなのは 島国というのもありますが、 やはり英語がボトルネックになっているのかもしれません。海外へ留学する若い人が激減しており、逆に英語を流暢に話す中国人や韓国人留学生が大勢いるそうです。新しいものという概念は他との比較があって認識されることです。広く世界から日本を見て独自の良さを自信を持って強みに昇華することが必要だと思います。

自分たちのクリエイティビティーを発揮できていると感じているのが17%しかいないというのは何も見えていないのか、日本人特有の奥ゆかしさなのか。いずれにせよもっと自信を持つべきです。そして世界にどんどん新しい独自のアートを発信しアイデアや商品を国際舞台で広めていったら良いと思います。

そして英語力もコミュニケーションツールとしては大切なのでしょう。これは日本の教育システムが遅れているので早く改善してほしいものです。

ADOBEの記事
http://www.adobe.com/aboutadobe/pressroom/pdfs/Adobe_State_of_Create_Global_Benchmark_Study.pdf

デザイン
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熊谷淳一

熊谷淳一

株式会社ノイエ 代表取締役。デザインで経営を伸ばす経営コンサルタント・クリエイティブディレクター。デザインは第5の経営資源としてデザイン経営とマーケティングの研究にいそしむ。 お酒、書と陶芸が好き。 尊敬する人は岡本太郎。
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