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誰のための商品・サービスなのかが曖昧だと売れません

市場を選ぶ重要性

「マーケティングの3C分析の要素である自社の強み、競合の分析、市場の分析の三つのうち一番大切なものは何だと思いますか?」

僕のセミナー中でこのようなクイズを出すと、多くの方は「自社の強み」の理解が一番重要だと答えます。

実は正解は「市場の分析」なのです。理由は、ターゲットが違えば、強みだと思っていたことが強みではなくなりますし、競合も変化するからです。

大抵のビジネスがまず自分が何をしたいか、何ができるかを出発点として始めることがほとんどです。それは間違っていませんが、それだけでたくさんの人に買ってもらいたいと思って市場をあやふやにしたままの企業が多いようです。すべての人に買ってほしい気持ちはわかりますが、ターゲットを絞った方がより早く効率的にビジネスが成長してゆくのです。

何を売るかよりももっと大切なことはどこで売るか誰に売るか、どんな人に向けて売るのかなのです。

もう少し正確に言うと、

あなたのサービスや商品が誰にとって一番役に立つのかが明確に伝わることがポイントです。

成功する市場の選び方

自分の商品やサービスを本当に必要とする人たちがいるニッチな市場を選ぶことがポイントです。ターゲットを絞ると聞くと怖くてできない、広いターゲットに、多くの人に買ってほしい、という声も多いのです。まず最初はお客様が何で困っているのか、そしてあなたがその人の悩みや願望をどうやってあなたのビジネスで解決できるのか、その因果関係を明確にすることが重要です。

大抵の会社は私は何々ができます、うちの製品はすごいんですと、こんな人にもあんな人にもという感じで訴求していますが、これが一番売れないパターンです。

「うちの製品はすごく良いものなのに、なぜ売れないのだろう?」というご相談がとても多いのですが、誰のためにどんなメリットがあるのかが伝わっていない場合がとても多い意と感じています。

不特定多数に当てたダイレクトメールと自分の名前宛に届いた手書きの手紙では注目度や感情の向け方が違いますよね。それと同じです。

ではどんな市場に絞れば良いのか?

市場を絞るためにはまず自社の商品やサービスが誰の役にたつのか?それを徹底的に考える必要があります。わかりやすいのは、今現在のお客様に聞いてみることです。その人たちが大切なお金を自分の商品やサービスに払っていただいているその理由こそがお客様のメリットであり、ニーズです。特に長い間取引していただいているお客様に聞くのが良いでしょう。お客様が何を求めているのかお客様のニーズや願望を本当に理解した時に自社の強みが真の強みになります。

ビジネスがうまくいく市場の5つの条件

もう一方の視点でビジネスがうまくいく5つの条件もあります。これらの条件が揃っていた場合、成功する確率も高くなります。

①熱烈な愛好家がいる市場
この市場というのはお客様にファンになっていただける可能性がある市場です。ファンになっていただくことがブランドを築く基礎となります。

②大金を払ってでも解決したい問題が存在する市場
大金を払ってでも解決したい問題とは重大で緊急性の高い問題のことです。これがないとスピーディーに売れませんし。高い価格でも売れません。

③将来的に新しい問題生じる可能性がある市場

④何十年も存在している恒久的な市場
③と④は似たような理由になります。長い間続いてきた恒久的な市場や将来性のある市場は、今後これからもずっと続いていく市場であり、数年間で消えてしまう流行の市場ではないということです。浄水器や太陽光発電など、数年で市場が消えてしまった例はたくさんあります。

⑤お金を持っている顧客がいる市場
お金を持っているお客さんがいる市場でないと売れるスピードも価格も上がりません。

市場を作っていくことはファンを作ること

市場を選択するということはこのように非常に重要なことですが、市場を作っていくと言う考えもあります。

あなたの業界や市場の中だけや巷の流行との関係で考えてる限り他社との価格競争からは逃れられません。いわゆるレッドオーシャンというやつです。

ブルーオーシャンでビジネスをするポイントは熱烈なファンを集めることです。自社の商品やサービスの特徴やメリットという目に見えるモノの訴求だけではなくあなたの個性や哲学、あなたの会社の歴史や思想や物語など、感情に作用する情報も積極的に情報発信することで共感が生まれます。共感されないと好きになってもらえません。熱心なファンを作ることがブランド構築の本質です。大量に売ることよりも、質の良いファンを育てていくことの方が重要なのです。

デザイン
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熊谷淳一

熊谷淳一

株式会社ノイエ 代表取締役。デザインで経営を伸ばす経営コンサルタント・クリエイティブディレクター。デザインは第5の経営資源としてデザイン経営とマーケティングの研究にいそしむ。 お酒、書と陶芸が好き。 尊敬する人は岡本太郎。
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