社長ブログ:クマデ総研

STRAMDのシンポジウム

桑沢デザイン研究所主催のSTRAMDのシンポジウムへ行って来ました。
STRAMDというのは「戦略経営デザイン人材育成講座」という説明がされている講座です。デザイン思考できて、経営とデザインを関係付けて、社会や人のために勉強する、みたいな感じの1年間の社会人学校です。今ひとつよくわかりませんが、言えることは、「デザインが持つ価値を経営に活用していこう」ということでしょうか。僕が言っている「デザインを活用して経営を伸ばしましょう」ということよりも、もっと大きなテーマを持つ学校のようです。

実はこのシンポジウムは毎年聞きに来ているのですが、ますますデザインの価値が経営に必要とされているのを感じました。ただし海外においてです。中国、韓国、台湾の現状や、アメリカのMBAスクールの新しい動向などのレポートを聞きましたが、非常に感銘(と同時に焦り)を受けました。

中国の天津は経済特区に指定されており、超近代的な都市計画がされています。僕が子供の時に見たことのある星新一の小説の挿絵のような、SF映画のシーンのような壮大な都市の模型が作られていて2020年完成を目指しています。

すでにものづくりの中国ではなく、次の段階を踏まえてデザインの大学を1500校も作っているというのだから、このままでは日本のデザイナーは食えなくなってしまうのではないかと戦慄を覚えます。

インドやアジアの人たちはデザインの勉強を台湾に行くとか、韓国の若い人はどんどん世界に留学するとかいう話も。

すでにアジアの国々の目は日本を見ていないのが、寂しくも情けない気持ちになってしまいましたね。中国、韓国、台湾はすでに10年前から政治家が国策としてデザインを考えていたのです。やはり政治だよなあ。それと教育。学生だけでなく、社会人、特に経営者の意識がなんだかアジアの勢いとは違う。

日本の経済成長期の経営者さんたちと今のアジアの経営者さんたちの姿が重なります。情熱ですよね。日本はすでに置いていきぼりを食っている感が否めません。
そんな元気のない日本ですが、印象的な話が2つありました。

ひとつはオノ・ヨーコさんが昨年桑沢デザイン研究所で講演をさせて欲しいということで申し出があったそうです。その話の中で、東北の震災は日本で起こってよかったのかもしれない、もちろん良かったという言い方は適当ではないですが、他の国で起こっていればそれは単なる悲惨な出来事だけに終わっていた。しかし日本人というのはその不幸なことに何らかの意味を見い出し、新しい価値を産んでいくことができる国民なので、日本で起こる意味があったのではないか。というお話をされたそうです。

もうひとつはダニエル・ピンクが出版した「ハイ・コンセプト」を読んで、感銘を受け、著者に会いに行った人の話。本にはこれからの時代で求められるのは以下の6つの感性が説明されています。
・「機能」(実用性)だけでなく「デザイン」
・「議論」よりは「物語」
・ バラバラの断片をつなぎあわせる「調和」
・「論理」ではなく「共感」
・「まじめ」だけでなく「遊び心」
・「モノ」よりも「生きがい」
この本をセミナーにしてビジネスにしたいと思い、著者に交渉しに行ったある人が、著者に「何を言っているのだ」と叱られた話。これらのことは日本の研究をしてたどり着いた考察で、なぜ本家本元の感性に優れている日本人がアメリカ人の私にそんなことを言いに来るのか、とたしなめられたそうです。

「ハイ・コンセプト」は僕も読みましたが、このソースが日本人の文化だったとは、びっくりしました。

日本人は自分の文化や精神をあまりに理解していなさすぎる。僕も勉強不足ではありますが、しかし日本人にしかできないことがまだまだあるし、僕らがそれをやっていかなければならないという思いは昔から持っている。でもどうやればいいのかよくわからない。今年はそのことにちゃんと向き合って考えてみたいと思います。

デザイン
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熊谷淳一

熊谷淳一

株式会社ノイエ 代表取締役。デザインで経営を伸ばす経営コンサルタント・クリエイティブディレクター。売れるデザインをつくるためにマーケティングの研究にいそしむ。 酒好き。書と陶芸好き。 尊敬する人は岡本太郎。

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