感性工学会という学会の総会に参加しました。この学会はものを作ったり、考えたり、人間の活動全般、産業全般に関して、これからは技術だけではなく「感性」という要因を考えて行く必要があるという趣旨を持った学会です。大学教授やメーカーの研究員や学生さんが学会員に多いようです。
総会は様々なテーマで研究発表を行うイベントです。発表の数は300以上もあって、工学院大学のキャンパスで3日間行われます。
初日は数あるプレゼンテーションの中からデザインマネジメント、震災後のデザイン、中小企業のソーシャルデザイン、購買の意思決定において感性の役割、などいろんな研究発表を拝見しました。
研究した事をこの社会で実際に生かして、人の役に立てる事が重要ですが、その部分はどうなっているのかが気になりました。なぜなら企業やビジネス、経営といった匂いが感じられず、学者さんばかりが研究に勤しんでいるという印象を受けたからです。
まあ、学会なんてそういうものなのでしょうが、せっかくの素晴らしい研究をもっと企業の経営者やビジネスマンが知って商品開発に生かすべきだと思うのです。
研究タイトルの中にデザインという言葉もたくさん目立ちました。デザイナーもこの場にいるのだろうか?みんな白いワイシャツにネクタイ姿の方ばかりで、見るからに技術者や研究者ばかり。柄シャツなんて来ているのは僕くらい?
これからの時代は、技術者がデザインを学び、デザイナーが技術を知っていなければならない。お互いに隔離された構造の中では良いモノはできない…。
こんなあったりまえな事が大真面目で議論されている!この日本は未だに当たり前ではなかったのですね。意外でした。これでは携帯電話もクルマも良いデザインができないはずだ。
しかし、デザイン団体の総会ではこういう事が議論されているだろうか?あまり記憶がない。このような感性工学会とインダストリアルデザイナー協会やグラフィックデザイナー協会が合同でシンポジウムなどをやったら良いのに。と強く感じました。
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