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デザインはお金がかかると思うのはなぜか?

前回、経営者がデザインをプロに依頼しないのはお金がかかるからだ、という話を書きました。
今までお会いした、たくさんの経営者の方達がおっしゃっている事をお聞きしていて、デザイナーにデザインを発注するリスクというものをお持ちの方が多いのだなあと感じています。
デザインは「お金がかかる」という言葉の本意は「お金をかけた割には役に立たない」という事なのだと思われます。経営をして行く上でお金はかかるものだし、通帳にはお金はあるはずです。しかし、優先順位が高くないということですね。
それから「まだ形のないものに数十万円も払うのが怖い」というものがあります。
物販だと目の前にものがあって、それが良いものかどうか見定めることができますが、デザインはこれから作るもので眼に見えません。なのに見積もりを見ると数十万円もするし、いったいこの金額を払ってしまっていいものか?と思われるのでしょう。この気持ちもわかります。
デザイナーに対する不信感も結構感じます。
「デザイナーは、これがいいんですよ!なんて言ってデザインを持ってくるけれど、何がどう良いのか分からん」
「デザイナーはどうでも良い部分を凝って作るけれども、うちの商売を分かっていない」
「デザイナーがきれいなデザインを作ってくれたけど、全然売れなかった」
「印刷会社はデザイン料を無料で印刷してくれるのに、デザイナーに頼むとデザインだけで印刷料の何倍もかかる」
「デザイナーは、こちらの希望を聞いてくれない」
「デザイナーに修正の注文を出してもいいものなのか…」
「デザイナーは愛想が悪い」
「デザイナーは怖い」
「デザイナーはうそつき」
??おい、おい、中には変なやつもいますが、確かに、みなさんの気持ちは理解できます。
これらすべてを一言で言えば、「デザインの価値がよく分からない」という事だと思います。
それはデザイナーの責任が結構大きいと感じています。このような不安や不満をひとつずつつぶして行き、価値を理解して行く努力をして行くべきですね。
基本的にデザイナーという人種は職人の部分が強く、コミュニケーションも苦手、という人が多いのも事実です。かくいう僕も子どものときから人の後ろにそーっと回り込んで目立たないようにしていたタイプですし。
しかし、経営にはデザインが必要なのはどの時代を見ても、どの国を見ても明白です。
今中国や韓国、アジアの列国は次はデザインだと言ってデザイナー教育に力を入れています。
日本が放射能を止めなきゃー、管やめろーなんてドタバタしているうちに、一気に抜かれてしまう気がしてなりません。
意識の高いデザイナーはもっとデザインの価値を分かりやすく経営者に向けて話をして行くべきだと思います。そのことが経営者のみなさんの不安や不満を取り除いてあげることになるのですから。

デザイン
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熊谷淳一

熊谷淳一

株式会社ノイエ 代表取締役。デザインで経営を伸ばす経営コンサルタント・クリエイティブディレクター。デザインは第5の経営資源としてデザイン経営とマーケティングの研究にいそしむ。 お酒、書と陶芸が好き。 尊敬する人は岡本太郎。
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