今ソニーの情報漏洩問題が深刻な状況ですね。2003年のソニーの株価が暴落したソニーショック以来のピンチです。その2003年のソニーショックの最中に発表された、QUALIAという高級ブランドがあります。クオリアとは「〜の感じ」という意味だそう。
出井会長が2000年からプロジェクトを命じて作らせたのだが、これが全く売れなかった!
ソニーのものづくりの技術力や開発力の低下に活を入れるために、ものづくりの原点に帰る、みたいなコメントを出井会長のインタビューかなにかで読んだ記憶があります。
銀座のソニービルに展示してあったQUALIAを見に行った時に感じたのは、いったい誰がこんな高い物を買うのか?不思議に思った。デザインはカッコいい。さすがソニーだ。しかし、ハンディカムが598,500円だったり、ヘッドホンが262,500円だったり、デジカメの癖に399,000円もしたり、製品ではなく特注品かと思いました。ソニーもたくさん売ってやろうと考えてはおらず、「もの作りの魂を見たか!」的なプレゼンテーションで作ったのだろうとそのときは思っていました。
ソニーデザインといえば黒木靖夫氏がなくてはならない存在ですが、彼はQUALIAは売れないだろうと語っていたのを何かで読んだ。売れるデザインとは「他とちょっと違っていて、ちょっと新しい」物でなければならないという。黒木氏にすれば、QUALIAは他と違いすぎて新しすぎたのでしょう。おまけに高すぎで、そこには顧客が不在です。
デジカメはいくつかの交換レンズがでかいケースに仰々しく一つづつ収まっていた。こんなケースに入れて運ぶ人はいるまい。環境に悪いデザインだ。
「ソニーにはデザインマネジメントを行う者はいなくなり、単なる技術屋の集団になってしまった」と嘆いていたとか。
ちなみに出井会長は2004年にアメリカのビジネスウイーク誌で世界最悪の経営者に選定されていたとは、知らなかった。
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