大分市立美術館で「学芸員技術研修会」として「展示グラフィックと集客ツール」のテーマでセミナーを行いました。九州産業大学の緒方先生が主体になられて行っている事業で、今年で4回目。毎回意識の高い学芸員さんが集まり、チラシと展示パネルのデザインの作り方の話をします。午前10時から夕方5時までの6時間経ちっ放し、話しっぱなしで、へろへろです。受講生も、グループワークあり、ディスカッションあり、発表プレゼンありで、脳みそに汗をかいて一生懸命です。
ミュージアムは自治体も、民間も予算が少ないので、外部のデザイナーに発注する事が難しく、学芸員さんが自分たちでイラストレーターを使って作っているケースが多いのです。デザインの基本的な技術がよくわからないので、手探りで作っている状態。僕の講義では、デザインやコピーの書き方と
言う技術的な事やマーケティングのお話もします。マーケティングというのは人の心を振り向かせるための論理的で実践的な戦略ですからね。
しかし、それよりももっと大切な事をお伝えしたくて、お話をします。
何のためにチラシを作るのか、誰のためにそのお仕事をやっているのか?
それが明確でなければ、人の心をつかむチラシやホームページはできません。若い学芸員さんのモチベーションをあげて、何十年も変わっていない、ミュージアム業界の慣習や代わり映えのしないマンネリチラシを破壊してほしいのです。新しいSNSや動画を使って、世の中の人たちが、ミュージアムに行きたい!と思ってくれる事をどんどんやってほしいのです。
研修が終わって、大分の町に移動し、懇親会にたくさんの方が気てくれました。嬉しかったです。
全員の方とじっくりお話ししたかったけれど、各人の悩みを聞いていたらあっという間に時間が過ぎてしまいました。大分まで研修を受けに、沖縄や大阪、鹿児島など、遠いところから何時間もかけて来てくれました。皆さん意識高いです。ぜひ、九州からミュージアムを変えていってほしいです。このような研修事業をリードして行ってくれる人物がなかなかいません。日本には九州産業大学の緒方先生くらいしかいないのです。本当に緒方先生には感謝です。僕もミュージアムが大好きなので、日本のミュージアム業界を盛り上げたいと強く願います。
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