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買おうか買うまいかの判断は潜在意識が左右する

商品、サービスは安ければ売れるとは限りません。あなたの商品やサービスが高いのか、安いのかお客さんはどこで判断するのでしょうか?お客さんの懐具合で決まるのでしょうか?
お金がないから仕方なく安いものを買うという人もいるでしょうがお金がなくても高いものを買う人も大勢いるのです。

高いか安いかを決めているのはその人の価値観です。自分にとってどれだけその商品サービスが価値があるのか、どれだけ欲しいものなのか、魅力があるものなのか、悩みを解決してくれるものなのか…。

価値を感じればお金がなくても高いものでも買ってくれます。例えばファッションには関心なく、住む家なんかもボロアパートでも全く気にしなくても車はスポーツカーが欲しくて高い車に乗っている人。あっちのスーパーの卵とこっちのスーパーの卵を比べて多少遠くても1円でも安いスーパーに買いに行く人が、同窓会に来てゆく服に何万円もかけたりだとか。ありますよね。人の価値感は様々です。

また、高いものを買うことによって自分はこんな高いものを買える人間なんだという自尊心に満足を感じる人もいるでしょう。ブランド品を身につけたりベンツに乗ったりという心理ですね。

それでは人はどうやって価値観が決まるのでしょうか?じっくりと熟考して、これは価値のあるものなのか否か?などといって決めるものなのでしょうか。もちろん家や車や保険みたいに高額なものはそのように検討することもあるでしょう。しかし実は自分でも気がつかないような潜在意識によって人は判断してしまうなのです。

潜在意識をコントロールする重要な要因のひとつにイメージの力があります。イメージの良し悪しがその人の潜在意識を左右するのです。そして価値観が決まってしまうのです。頭ではわかっていても行動が逆になったり簡単にするのです。イメージの力が強大です。

例えば1886年に、ロシア帝室御用達だったスミノフというウォッカがあります。1939年には、アメリカのヒューブライン(Heublein)社が経営に参加しました。アメリカでシェア23%で、ダントツに売れていましたが、そこへライバル会社がスミノフよりも安い価格で競合商品を投入してきたのです。

スミノフホームページより(https://www.smirnoff-time.com)

さて、ヒューブライン社は頭を悩ませました。
まず、第1の案は競合会社と同じ値段まで安くする方法。しかしこれをすれば利益は下がります。競合会社とシェアが半々になり、売り上げも落ちるでしょう。

第2の案は価格はそのままで広告費を増やして認知度を上げる作戦です。しかし広告費のコストがかかり、これも利益が上がりません。

第3の案は値段をそのままにしておく方法。これは価格が安い競合会社にシェアを取られるリスクがありますし、売り上げも落ちてしまうでしょう。この三つの方法ではどれも利益が上がらず、コストがかかったりシェアを取られたりと、すべて良いアイデアではありません。

そこで第4のアイデアを考えて採用しました。それは三つの価格帯のブランドを作ることでした。
現在よりも高い価格のブランドを新しく作ります。真ん中のブランドは今のブランドのまま現在の価格で販売します。そして3つめに安い価格のブランドを作ります。この価格は競合会社が出してきた価格と同じ値段に設定しました。

さて結果はどうなったでしょうか?競合会社のウオッカはスミノフのブランドの最下位のブランドと同じ値段なので、競合会社のウオッカの品質はスミノフのブランドの最下位と同じ程度というイメージになってしまったのです。そしてスミノフはさらに利益を上げていき、世界のブランドとなったのです。

正直スミノフや競合のウオッカの品質や味の違いはたいして違いはないのです。イメージの力は強大ですので、印象で購買が決定されてしまうのです。

イメージを左右する重要な要因としてデザインがあります。不潔なヨレヨレな服を着ている人をどう思いますか?安っぽい服を身につけている人でしゃべり方がぶっきらぼうで雑な人。そんな人は信頼できませんよね。デザインはその企業の身だしなみです。メッセージは話す言葉や話口調だったりします。自分の会社がどのようなイメージで見られているのか、どのようなイメージで見られたいのかを経営者はよく考える必要があります。

デザイン経営
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熊谷淳一

熊谷淳一

株式会社ノイエ 代表取締役。デザインで経営を伸ばす経営コンサルタント・クリエイティブディレクター。デザインは第5の経営資源としてデザイン経営とマーケティングの研究にいそしむ。 お酒、書と陶芸が好き。 尊敬する人は岡本太郎。
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