社長ブログ:クマデ総研

中小企業は良いものより安く売ってはいけない。

「いいものをより安く」というフレーズはダイエーのキャッチフレーズです。
「よい品をどんどん安く、より豊かな社会を」 というダイエーの企業理念は昔は通用していたのでしょうが、倒産してイオングループに吸収され、今はブランド名だけが残っています。

いいものを作るにはお金がかかります。手間も時間もかかります。それを安く売ることができるのは資本がたっぷりある大企業だけです。ダイエーのような流通業ならまだしも中小企業の製造業がこれを行うと全然儲かりませんし、あっという間に潰れます。

中小企業は規模が小さいからこそ高い単価で商売をしなければ効率よく利益が上がりません。零細企業は何年も何年も赤字を出しながら薄利多売で自転車操業しているようなイメージがありますが、まさにそんなイメージ通りの中小零細企業が日本にはたくさんあります。そういった会社は今回の新型コロナウイルスが蔓延して突然お客さんが来なくなる場合に1ヶ月、2ヶ月であっという間に首が回らなくなって倒れてしまうのです。ちなみに日本の中小企業の約7割は赤字です。

「高くしたら売れないよ!」と思われている経営者がたくさんいます。高くしたら売れなくなるのは、他と同じ条件の場合です。高く売るためには競合と違うルール、違う土俵で戦うことが必要です。具体的には、ターゲットを絞ること。狭くても構わないので、ある分野では誰にも負けない商品、サービスを持つこと、他がやっていないことをやる事です。つまり希少価値こそ高く売るためのポイントなのです。

ダイヤモンドやレアメタル、石油や金はなぜ価格が高いのでしょうか。その理由は希少だからです。中小企業は他と同じことをやっていてはダメなのです。
希少価値のある本当に良い商品や良いサービスを持っている中小零細企業も世の中にはたくさんあることを僕も知ってます。しかし多くの会社が本当にその商品、サービスの良さをきちんと伝える努力をしていません。「良い物を作れば売れる」という30年も前の常識を信じ、やり方を変えようとしないのです。もう、そんな時代はとっくに終わっています。それではなぜ考えを変えようとしないのでしょうか?それは中小零細企業の経営者の平均年齢は66歳を超えていて、日本の中小企業の社長のほとんどは頭の固い高齢者が経営をしているから過去と同じようなやり方を頑固に変えようとしないのです。
中小企業白書の資料から、第2-6-2図を見ますと、20年前の社長の平均年齢が47歳で、2015年では66歳にそのままスライドしています。20年間社長が交代せずに古い考えを引きずって今に至っているということを示しています。

中小企業の経営にデザインやマーケティングを取り入れている会社は非常に少ない。それはホームページを見てもチラシを見ても一目瞭然です。本当に雑で下手なチラシや使いづらいホームページ、もしくはどこかで見たようなみんな同じような感じの安っぽいデザインで溢れています。

これでは消費者はどこから買っていいのか、どの商品が、会社が自分にふさわしいのか全くわかりません。結局そうなると消費者の行動は一番安いもの、一番家から近い店、誰かに口コミで紹介された店から買うしかないのです。

本当に良いものであれば高くしても売れるのです。価格を高くしても売れないのならそれは実は良いものではないのか、もしくは良さが伝わっていないのかのどちらかです。
良さをきちんと伝える努力をすること。マーケティング戦略に則ってデザインと効果のあるコピーをコミュニケーション戦略、販売戦略として経営に取り入れることこそが今後の中小企業に求められることだと思います。

そして販売ツールにとどまらず、会社のロゴマークや封筒や名刺などのブランディングをきちんと行うこと。中小企業だからこそブランディングが重要な時代なのです。ブランディングを勧めるその理由は差別化をする事と、ファンを作る事になるからです。小さい会社はお客様の「愛顧」によって支えられています。愛顧とはファンでいてくださる事を言います。お得意様がどれだけいるかによって経営も安定するし、ご愛顧様が口コミでほかのお客様を紹介してくれます。

経営にデザインとマーケティングを取り入れることは、中小零細企業ではまさに「他がやっていない」ことのひとつに入ります。差別化をすることを本気で考えなければこの先の時代、生き残れません。

しかし、今回のような新型コロナウイルスのような非常事態に陥った場合はデザインの力だけではどうすることもできないでしょう。飲食業、小売店、観光業やイベント関連などの業種は大変だと思います。この騒動が過ぎた後、お客様がまた来てくれるのか、買ってくれるのかは普段からどれだけファンがいてくださるかが大切になってきます。この時期に、これからの経営をじっくりと見直してみる機会がきていると思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました