富士通マーケティング様の社員研修で「伝わる企画書のデザイン」というテーマでお話しさせていただきました。富士通様は日本の基幹システムを提供する大企業です。この会社がなければおそらく日本のIT系システムは成り立ちません。そんな大きな会社だからこそ、クライアントへ提案する企画書のデザインの重要性や価値を理解しており、社員研修を行なっているのでしょう。
中小企業ではなかなかこのような発想はしません。そこにお金を投資する意識があまりない。
しかし、企画書が通るかどうかというのは非常に重要なことです。販売する価格が高ければ高いほど、営業ツールや企画書のデザインは重要になりますし、競合相手と競争する場面で、わかりやすさや知的なイメージ、信頼性をアピールしなければなりません。その時、コンサルタントや営業マンの自己流の感覚で作った読みづらく、冴えない見栄えの提案書や企画書だったらどうでしょうか。ましてや、競合相手の方が素敵でわかりやすい提案書をぶつけてきたら。
確かに、企画書や提案書は中身が重要です。
しかし、中身に甲乙がつけられない場合、競合会社と大きな差がつけられない場合が往往にしてあります。
世の中の「売れるか売れないか」という問題、「あっちの店から買おうか、こっちの店から買おうか」消費者が悩むことはとても多い。というよりも、悩まない買い物なんてありません。
中身をじっくり読んで決定するのは当たり前と思われていますが、実は最初の印象がその後の決断を左右してしまうという事実を多くの人があまり理解していません。人間関係もそうであるように、企画書やプレゼンテーションの最初の印象がお客様の潜在意識に入り込み、その後の決断を左右する場合があるのです。(中身に大きな差がなければのはなし)
研修では初級の方にはデザインの基礎と情報の整理整頓、生産性を高めるためのECRSの原則などのお話と、実際に企画書を改善するワークを行いました。昨年初級を受けていただいた方は引き続き中級として、情報を整理してそれを短時間で伝えるためのフローチャート図にするワークを行いました。中級は他にもワークがたくさんあり、お疲れだったかもしれません。昨年初級を受けてていただいたある方の企画書が今年は別人のように改善されており、さすが優秀な方が多いなと驚かされ、また嬉しく思いました。
中小企業も、いや中小企業だからこそ、このようなビジネスのターニングポイントとなり得る企画書や提案書のデザインに気を使い、スキルを伸ばそうという意識を持っていただきたいものです。
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