東京ミッドタウンのデザインハブにて行われた、JAGDA(日本グラフィックデザイナー協会)主催の著作権セミナーに行ってきました。会場には80人くらいの人。若い人よりも、年配(50以上?)の方が半分以上いて、ちょっと意外。服装も、ほとんど黒色で、観客席は真っ黒だったのも、おかしかった。デザイナーは昔から黒装束が多いのですが、結構ステレオタイプなんですね。事前に受講者のデザイナーから様々な質問を受け取っておき、会場で弁護士や、知財の専門家の先生方が、それに答えていく、という形式で、2時間ほど講義がありました。びっくりしたのは、テキストにいただいた「インターネット判例要約集」。分厚い知材の裁判の判例集です。500ページを超える厚みで、2800円もする本を全員に配っていました。講師の久留米大学の大家重夫先生が書かれた著書で、先生のご好意で配布していただきました。セミナー受講料は1000円なのに。太っ腹です。ひとつづづ読んで聞くと、なかなか興味深い。
投資情報を提供するサイトが、個人の投資家のブログ記事を無断でコピーして使用し、裁判になり、100万円の賠償金の支払いを命じられたり、飲食店が食べログに、お客さんから「おいしくない」だの「料理が遅い」だの書かれてしまい、それらは事実ではないので、削除してほしいと依頼したのに、食べログ側が拒否し、裁判になった事件では食べログ側が勝訴したりと、身近な話題で結構裁判が行われている事がわかる。
著作権に関して疎いデザイナーもたくさんいる。それ以上に、クライアントも知的財産に関しての意識が非常に低い。実は僕も著作権に関してクライアントとトラブルになり、昨年クライアントを裁判所に提訴して、勝訴しました。(この事はまたいずれ詳しく書きたいと思います)
学校で教えない、会社で教育しない、テレビで取り上げない。非常に身近な話題なのに、どこか遠い専門分野の話のように感じてしまっている人が多い。頭ではわかっていても、まあ、これくらいはいいだろうとか、著作権を侵害された場合に、まあ、しょうがないよね。とか、軽く考えてしまう風潮もある。デザイナーですらそうなのだから、一般の人がなおさら意識が低いのは当然だ。
弊社のホームページは数百ページありますが、実は、ここ一年間で一番アクセスがあるページが、トップページを抜いて著作権のページになりました。こちら↓↓↓
それはおそらく良い事で、著作権でいろいろ悩んで、ネットで検索して、たどり着く人が多くなってきているという事なのでしょう。なかなかデザイナーもクライアントに対して遠慮なのか、力関係が弱いのか、著作権に関してはっきりと話をしない人がほとんどです。僕も、はっきり話をしなかったので、昨年トラブルになったのですが、これは法律で決まっている事なのだから、きちんと白黒はっきりしておくべきです。
「他人の権利を守り、自分の義務を果たす」
このように書くとと当たり前に感じられますが、反対のいい方にするとどうでしょう。
「他人の権利を無視し、自分の義務を果たさない」
これ、ひどいよね!
そんな人になりたくないし、こんな当たり前の事ができない社会人とは仕事は一緒にしたくないですね。
今日、JAGDAの著作権セミナーに来ていたデザイナーの方達は意識が高い方ばかりだと思います。
もっとこのような教育の場を多く作ってもらいたいと思いました。
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