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現代の価値観は「魅力」

時代とともに価値観が変わると言われます。

戦前までは日本人の大きな価値観は「家柄」にありました。戦国時代から江戸時代、貴族、武士など、○○家だからすごいとか、そんな家柄では信用出来ないとか。老舗の店だから重用されるとか言われていました。

戦後からは「技術」が価値でした。ものがなかった時代、良い物を作れば賞賛されて、みんな買ってくれる。ソニーや松下などの家電メーカーや様々な技術やものづくりの企業が伸びました。

1970年ころからは経済成長もして、モノがあるのは当たり前。そういったモノをどのように日本中に広げるのかといった流通業が伸びました。ダイエーやイトーヨーカドーが躍進し、企業の広告も華やかになり、金融システムも完成して株や投資ブームになり、 消費することがもてはやされていました。このようにこの時代の価値観は「仕組み、企画。システム」といったことのようです。

1990年ころからは今まで社会は成熟して混沌としています。バブルの崩壊から始まって失われた20年が継続中です。経済も金融システムも消費も技術も人の心も閉塞状態。

このような時代における価値感はもうモノやお金ではないように感じます。大企業に務めることがステイタス、ベンツに乗ることが夢だった時代は過去のもので、今の時代の価値観は「 魅力」と言われています。

各時代の価値観によって人はモノを買ってきました。すでに良い物を作れば売れる時代は終わっており、良い物は当たり前。良い物はたくさんあふれています。

広告やマーケティングに踊らされて消費することもありません。みんな広告を信じていません。

どんなに高くても、安くても魅力を感じれば売れる、といってよいでしょう。技術や仕組みは過去の価値観ではありますが、魅力的な商品やサービスをつくる技術や売る仕組みは今も必要です。しかしそれを魅力的に伝えるということができていないのではないかと感じています。

たとえばデザインです。商品のデザインにしても、広告のデザインやブランドデザインなどのコミュニケーションデザインにしてもまだまだ十分ではありません。デザインが必要だ、デザインに価値があるから投資しよう予算を割こうといった経営者は非常に少ない。デザインに注目している経営コンサルタントもいない。良い物を作れば売れるといった昭和の価値観で経営をしている人が大半です。

アジア諸国では産業を伸ばそうとして躍起になっていますがそれにはデザインが重要であるといった価値観が常識になっており、国家予算をつぎ込んでいます。

先日も香港のデザイン出版社からうちのホームページを見て作品を掲載させて欲しいといったメールが舞い込みました。中国の貿易会社から片言の日本語で仕事の以来の電話が入りますし、数年前ですが、デザイナーの募集に中国人と韓国人が面接に来ました。うちのような小さなデザイン会社にもアジアの息吹がかかるような時代なのです。

これからは「魅力」をつけた企業が登りのエスカレータに乗れると言ってよいでしょう。それにはデザインが重要になってきます。

デザイン経営
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熊谷淳一

熊谷淳一

株式会社ノイエ 代表取締役。デザインで経営を伸ばす経営コンサルタント・クリエイティブディレクター。デザインは第5の経営資源としてデザイン経営とマーケティングの研究にいそしむ。 お酒、書と陶芸が好き。 尊敬する人は岡本太郎。
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