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「どこが痛いか」言えますか?―経営を停滞させる「自己分析不足」の罠

ビジネスが思うように進まない、売上が伸び悩んでいる。そんなとき、多くの人は「もっと頑張らなきゃ」「新しい集客ツールを試さなきゃ」と、外へ外へと答えを求めがちです。でも、ちょっと待ってください。

体調が悪い人が病院へ行ったとき、お医者さんが最初に聞くのは「どこが、いつから、どう痛いの?」という質問ですよね。これに答えられないと、適切な処置は不可能です。ビジネスも全く同じ。今のあなたの事業が、なぜ「熱」を出しているのか。その原因を特定しないまま特効薬(デザインや広告)を打っても、それは単なる気休めにしかなりません。

今回は、僕が経営とデザインの現場で痛感してきた「自己分析」の重要性と、作業員から戦略家へと脱皮するための考え方についてお話ししたいと思います。

「作業」と「戦略」を混同する危険

多くの経営者やフリーランスの方とお会いして感じるのは、皆さん本当に「真面目に」働いているということです。朝から晩まで、目の前の業務に追われ、忙しく動き回っている。しかし、ここには恐ろしい落とし穴があります。

それは、自分の仕事の「中」で働いていて、仕事「について(戦略的に)」働いていない、という点です。

例えば、僕たちデザイナーの世界で言えば、PhotoshopやIllustratorを動かしてロゴを作っている時間は、仕事の「中」での作業です。一方で、「このロゴがクライアントの経営課題をどう解決し、5年後のブランド価値をどう高めるか」を設計するのが、仕事「について」の戦略的な働きです。

ここを混同したまま長時間働いても、それは車輪の空回りに近い。僕自身、独立した当初はこれに気づけませんでした。とにかく手を動かせば報われると信じていたんです。でも、それでは「代わりがきく作業員」の域を出られない。クライアントが真に求めているのは、かっこいいデザインではなく、ビジネスを加速させる「解決策」なんですよね。

「どこが痛いか」を言葉にする勇気

ビジネスが停滞しているとき、人はどうしても「なんとなく良くなればいい」と漠然とした願いを抱きます。しかし、「なんとなく」では行動は変えられません。

必要なのは、現状を徹底的に診断することです。

  • なぜ、既存客が離れているのか?
  • なぜ、新規の問い合わせが止まったのか?
  • 自社の本当の強みは、顧客の何に貢献しているのか?

これを言語化するのは、実はとてもエネルギーがいることです。自分の至らなさを突きつけられるようで、痛みを伴う作業でもあります。でも、この「痛みの特定」から逃げている限り、ビジネスの完治はありません。

僕がかつて経営で悩んでいた時期、救いになったのは「数字」と「言葉」に向き合うことでした。「どこが痛いか」が明確になった瞬間、打つべき手立て―デザインをどう変えるべきか、誰にメッセージを届けるべきか―が、パズルのピースがはまるように見えてきたんです。

競合の95%に対して優位に立つ方法

もし、あなたが今「現状を打破したい」と本気で思っているなら、やるべきことはシンプルです。世の中の経営者のほとんどは、日々の忙しさを理由に「自分自身への問いかけ」を後回しにしています。

図:経営を停滞させる「自己分析不足」の罠

例えば僕のコンサルティングでは、次のようなたくさんの質問をクライアントにヒアリングして課題を引き出します。

  • あなたの顧客は誰で、彼らは夜も眠れないほど何に悩んでいるか?
  • 競合他社が逆立ちしても真似できない、あなたの「こだわり」は何か?
  • そのこだわりは、デザインや言葉として正しく表現されているか?

これらに一つずつ、汗をかきながら答えていく。このプロセス自体が、クライアントのビジネスを磨き上げる「知的な格闘技」になります。この問いに答えを出せた時点で、あなたは「ただ頑張っているだけ」の競合他社95%を、ごぼう抜きにして優位に立てるはずです。

デザインは、この「戦略」が固まって初めて、最強の武器として機能します。土台がグラグラのまま綺麗な家を建てても意味がないように、戦略なきデザインはただの装飾です。

ビジネスの成果が出ないとき、それは能力の不足ではなく、「問題の所在を特定できていないだけ」であることがほとんどです。

自分の仕事の「中」に埋没せず、一歩外へ出て、自分自身のビジネスを客観的に眺めてみてください。「どこが痛いのか」を言葉にすることから始めてみませんか。

もし、自分一人ではどこが痛いのか分からない、あるいは痛みは分かっているけれどどう治せばいいか迷っているというときは、ぜひ僕に相談してください。4,000件以上の現場を見てきた経験と、デザイン・経営の両輪から、あなたのビジネスの「健康診断」をお手伝いします。

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熊谷淳一

熊谷淳一

株式会社ノイエ 代表取締役。デザインで経営を伸ばす経営コンサルタント・クリエイティブディレクター。デザインは第5の経営資源としてデザイン経営とマーケティングの研究にいそしむ。 お酒、書と陶芸が好き。 尊敬する人は岡本太郎。
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