いい意味で彫美らしくない、新しい雰囲気を出せたかなと思います
熊谷:価格に関してはいかがでしょうか?いつもの予算という感じでしょうか?
梅村様:予算は厳しい状況ですが、新しい雰囲気を出したかったので普段よりはデザインにお金をかけました。
熊谷:それは……!感謝いたします、ありがとうございます!光栄です。
美術館など、全国的に価値が高まって、入場料をしっかりとれるような文化施設になると良いですよね。国立博物館が予算がなくてクラウドファンディングなんてありましたけど……。日本の文化を大事にしていきたいですよね。
梅村様:人口減少が原因ですかね。
熊谷:美術館は高齢者のお客様は多いので、高齢者が増えると活気が出てくるのかな、と思いますけれども。
梅村様:けど高齢者の方も働くようになったから、あまり来れないかもしれませんね。
熊谷:そうですね。同時に若い方にもたくさん来ていただきたいですよね。
梅村様:子育て世代や中高生って結構穴になっていてなかなか来ないので、そういう世代も取り込みたいなと思っています。
そういったこともあって、今回は30〜40代にも「彫刻ってこんなのもあるんだ」と思ってもらえるようなチラシにしたいというコンセプトでやっていました。
熊谷:若い方はいらっしゃいましたか?
梅村様:今日も家族連れのお客様がいらしていました。
元同僚からは、今回のチラシは「いい意味で彫美らしくないね」と言われました。新しい雰囲気を出せたかなと思います。
美術館が大切にしていることを汲み取ってくれました
熊谷:弊社をどこかにお勧めしてもらえるとしたら、どんなところでしょうか?
梅村様:美術館や博物館にはお勧めしたいです。
特に美術館に関して、必要なやりとりはしっかりしていただいて、美術館が大切にしていることを汲み取ってやっていただきました。
熊谷:美術館が大切にしていることはどんなことでしょう?
梅村様:作品を良くみせる、デザインをやりすぎて作品が沈んでしまうということがないようにすることです。
作品を活かしつつ良いデザインをするという配慮がされているなという印象を受けました。そこは重要なことでした。
熊谷:嬉しいです、ありがとうございます。
梅村様:なので美術館全般にお勧めしたいですね。
熊谷:僕は美術館には行くのも見るのも好きだし、美術館・博物館のお仕事もさせていただいてきましたが、年々数が減っていき厳しさが見えてきて、ちょっと心が沈んでいく部分もあります。世界に名だたる日本の文化で、古典も現代美術も素晴らしいですから、もっと外国の方にも来てもらえるといいなと思います。
梅村さんのところは、英文のホームページはあるのですか?
梅村様:ホームページには美術館の概要ページが英文であります。それから、常設展は英語の解説をつけています。
最近、コロナが明けてからは外国からのお客様もいらっしゃいます。穴場を探してくるみたいで。
熊谷:なるほど。外国の方はガイドブックよりSNSやホームページから来ることが多いみたいですよね。
図録についてですが、入稿作業は梅村さんが全部やられたのですか?
梅村様:あれは大変でした。個人的に入稿作業はやったことがあるのですが、今回の印刷会社では初めてでした。
熊谷さんに手取り足取りやってもらってなんとかという感じでした。
熊谷:無事に出来上がったようで良かったです。
予算的にフォーマットデザインとデザイン監修になってしまいましたが、梅村さんがメールで書いてらっしゃった「こだわって作りたい」という言葉に「じゃあ僕もとことんこだわるぞ!」と思い、結構細かく指示を入れてしまいました。
梅村様:来場者に販売する他に、出品作家に贈呈、資料交換で全国の美術館200館くらいに配布する予定です。
熊谷:最後に、なにか感想やメッセージなどはありますか?
梅村様:コミュニケーションて大事ですよね。
熊谷:そうですね、意思疎通が大事ですよね。ちゃんと擦り合わせておかないと、思い描いている方向がずれている場合もありますものね。
梅村様:そういうことがあっても真摯に対応していただいたので助かりました。結果として良いものができたと思うので良かったです。
熊谷:良かったです、とても嬉しいです。また機会がありましたら是非お願いいたします。
お仕事の依頼だけでなく、ちょっと聞いてみようという感じでなんでもお気軽に声をかけていただけたら嬉しく思います。
たくさんの来場者さんが来てくれることをお祈りしております。ありがとうございました。