ブランドイメージができ、問合せが増加〈孵化場〉

椎名様

新しいブランドデザインを手に入れてホームページからの問合せも増えました。いろんな新しい事業に取り掛かろうと考えているところです

有限会社椎名人工孵化場
代表取締役 椎名秀治様

椎名人工孵化場は鴨肉、鴨農家への雛の供給、鴨肉の加工商品の開発販売を行っています。大正12年創業で100年の伝統と共に、先進の技術を持った鴨のエキスパートです。昭和初期より鴨類の研究を開始し、現在にいたるまで新技術導入に取り組んできました。日本市場で、フランスの高品質鴨のグリモウダック雛供給の草分け的存在です。

新たなブランドイメージを手に入れることができ、
やっとスタートに立てたかなという気持ちです。

熊谷:弊社を選んでいただいた理由はなんでしょうか?

椎名様:千葉県産業振興課主催のセミナー「デザイン塾」の講師だったからですね。

熊谷:そうですね、僕が講師をさせて頂いたセミナーで椎名さんは受講生でいらしていただいてました。まあそうは言っても、私にデザインをお願いしよう、と決めていただいたのはどういうところにあったのでしょうか。

椎名様:中小企業での成功事例をいろいろな実績を見せてくれたことと、こちら側の意識を引き出そうとしてくれようとしていることを感じました。こちら側のことを詳しく聞かないでデザイナーさんの作風で作ってしまって、うまくいかなかったことがありますので。

制作物写真

熊谷:今回、御社のコーポレートマーク、ホームページ、会社案内、展示会用のパネル、商品のラベルなど様々なデザインをさせて頂きましたが、これらのデザインの出来に関してはどのようなご感想をお持ちですか?

椎名様:椎名人工孵化場として新たなブランドイメージを手に入れることができ、 やっとスタートに立てたかなという気持ちです。いろいろなツールで 統一感が出たことが良かったと思います。

熊谷:今回、御社のブランドイメージを作るにあたって、これからの時代の椎名人工孵化場様のイメージを作らせてもらいました。御社の歴史や技術などの色々なお話を伺って、これからの時代において世界へ進出しても耐えられるクオリティのモダンでシンプルなシンボルマークのデザインを心がけました。なおかつ100年の歴史を誇る企業でもあるので伝統的、日本的でもあり、信頼感のあるイメージでデザインさせて頂きました。

それらの世界観を、ホームページや会社案内、展示パネルなど、様々なツールに統一感をもたせて、世に伝えるべき御社のイメージを作りました。

椎名様:とにかく3年前ほど前から統一感を出したかったんです。これまでのガチャガチャした雰囲気を何とかしたいと思っていました。それで以前から千葉県主催のデザインセミナーに参加したりコンサルティングプログラムに参加したりしていました。

新しいブランドイメージを手に入れたので、これからは新しく様々なことをやりたいと思います。

熊谷:もう100年も経っている会社なのに新しく、ですか(笑)。 昨年の10月に展示会を行われましたが、その後の反響はありましたか?

椎名様:問い合わせは今になってポツポツと出てきました。

飲食店はそば屋が多かったのですが、今まで全然なかったイタリアンのお店からの問い合わせがここにきてよく来るんですよ。名刺交換してない方からも連絡をいただきました。

熊谷:ショップカードも効果があったのですね。展示でも、イタリア料理の提案もしていましたしね。

椎名様:ブースを通過した人も、後になって見に戻ってくる人もいるのかもしれませんね。

熊谷:ひとコマの小さいスペースでしたがデザインがちゃんとしていましたから、これはちゃんとした会社だという信頼感が伝わったのでしょうね。

制作物写真

椎名様:安く上げるためにパネルも何もなくて手作り感いっぱいの展示ブースも多いですからね。

熊谷:そうですね。安っぽいデザインで、どんなに「うちの商品はいいですよ」と言われても「そうかなあ」と思ってしまいますよね。

それってお客さんに対して真摯じゃないと思っているんですよ。だってお客様が知りたい情報も提供しない、またはわかりにくかったり。食品を扱っているのに「安心感」が伝わらなかったり。デザインをちゃんとするって安心感なんですよね。

デザインがちゃんとしていないお店には入りたくないでしょう?

椎名様:そうですね。自分が消費者側として考えれば無意識に「見た目」に関しては厳しくみて判断しているのに、売り手側となるとお金をかけないようにと思ってしまうんですよね。品物や商品を作る方に一生懸命になってしまいます。

熊谷:ものづくりの人は特にそうですね。いいものができたから売れるに違いないと思ってしまうのですが、消費者としてはそれがいいものかどうかはチラシやホームページで判断してるわけで、そこのギャップに気が付かない会社がたくさんありますね。いい会社がたくさんあるのに、もったいないですね。

展示会は3ヶ月以上たってから効果が出てくる場合が多いのです。展示会の目的は売ることではなく、自社の強みをアピールしてお客様の連絡先を集めることが大切です。その後、忘れられないように長期間にわたって営業していきながら、信頼関係を作っていきます。その時に重要なのが展示のデザインです。小さな会社は手作り感いっぱいの展示になってしまい信頼感が伝わりません。その時点でお客様の心の中で切り捨てられてしまいます。

信頼感があれば記憶に留めてもらえますので、展示会の時にはニーズがなくてもそのうち必要が出てきた時に連絡をいただけるのです。これからです。大丈夫です。

「きれい」にするだけがデザインじゃないですよね。
みんなに「すごいわかりよくてイイ」とよく言われます。

椎名様:今回ホームページをデザインしてもらって使ってみてわかったのですが「きれい」にするだけがデザインじゃないですよね。

制作物画像

みんなに「すごいわかりよくてイイ」とよく言われます。グリモウダックのページの図版(右)などがよく考えられていていいですね。

熊谷:これも最初お話を聞いただけではよく理解できませんでしたが、図にしてみて自分も初めてわかりました。
デザインは色や形をどうしようか、ということで語られがちですが、それはあくまでデザインの着地点であって、大事なのは「何をどう伝えるか」なんですよね。うちはデザイン作業にかかるまでに、その部分を十分に練っていきます。かなり打ち合わせをしましたよね。

椎名様:そうですね。いろんな資料を集めてお送りしたり、何度も伺って長時間お話しましたね。ホームページから鴨農家の開業の相談も多くなりましたよ。

面白かったのは、金融機関からも問い合わせがありまして、他県のある農家が鴨で開業したいという案件があり、そこへの融資をして良いのかどうかの指導をお願いしたいといった内容でした。

うちのホームページがとてもわかりやすく、よくできているのでいろいろ教えて欲しい、といったご相談でした。

熊谷:すごいじゃないですか。それって、どういうことか言いますと、椎名さんは「鴨に関しての信頼ある専門家だと認識された」ということなんですね。御社の技術や工場、専門知識などを上手に伝わったんですね。

文字の分量も丁度いいボリュームでうまくまとめられました。

椎名様:文字ばかりではなく、視覚的にわかるように色々考えてもらいました。

なんか、すごくいろいろな人とつながるのでとてもいいですね。思わぬつながりがポンポンホームページで生まれるので。

熊谷:ホームページは全国から見られるものですから、大切ですし活用するべきですね。

椎名様:うちのことを何も知らない、他県の金融機関が信頼してそんな依頼が来るなんて…。

熊谷:すごいことですよね。他に相談できそうな鴨の会社はないのですかね。いてもよくわからないんでしょうかね。

椎名様:いや、鴨の会社はたくさんありますが、他社と比べる中で、ここだったらよさそうだと思われたのでしょう。

熊谷:それは先程申しあげた信頼感が伝わったのですね。

椎名様:お付き合いしている周りの人も「椎名人工孵化場のブランドイメージ」が出来上がったので、これからガンガン行きましょう!ということになっています。今後は新しい商品やサービスの開発も考えています。また展示会にも出展しようと思っています。

熊谷:協力会社さんや社員さんにもブランドイメージは大きな影響を与えていますね。

ところで今回のお仕事をする上で弊社の対応に関してはいかがでしたか?

椎名様:フレンドリーというか家族的な感じで、組織ぽくないところが良かったですね。長いお付き合いをする場合は統括的に見てくれるような作る人と監督が同じ人なのが良いですね。

熊谷:営業さんがいて、デザイナーさんがいて、という会社は多いですからね。うちはデザイナーが応対しますので。

椎名様:かえって中小企業にはそのほうが良いですね。

熊谷:そうですね。こちらも情報をお聞きするためには 心を開いていただく必要もありますし、もう「くまちゃん」って呼んでくださいなんて言ってますけれど(笑)。本当はお酒飲みながらやりたいくらい。デザイナーでも先生ぶっているのはだめですね。よくいるけれど。

椎名様:営業だけの応対だと作り手のデザイナーさんと話が通じなかったりしますよね。よくないですね。

うちもブランドイメージを手に入れましたので、これから一緒にやって行きましょう。

熊谷:ありがとうございます。 こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします。


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