毎日があっというまに過ぎて行って、やりたいことがあまりできていません、もりーです。
観に行きたい映画があるんですけど、ちょっと内容からして精神が健康な時でないと危険な気がして二の足を踏んでいます。
でも大きなスクリーンで見ておきたい気持ち・・・
話は変わりまして。
とあるチラシのデザインをしていたときのことです。
誤字脱字や文章表現としておかしい箇所は無いかなどを社長にチェックしてもらいました。
「『TEL』のあとピリオドつけないの?」
へ??
どういう状態だったかというと、
TEL 03-XXXX-XXXX
指摘された「『TEL』のあと」には一文字分のスペースが空いています。
これはクライアント様からいただいた原稿の通りの状態なのですが、実際配置しながら、スペースの場所にコロン(:)を入れようか迷った末、スペースのままにしよう、と落ち着いた部分でした。
そこに登場したピリオド(.)という新星。
TEL. 03-XXXX-XXXX
あー、確かに。あるある。これもある。
でも小文字との組み合わせのほうが個人的にはなんとなく見慣れてるかも。
tel. 03-XXXX-XXXX
さてこれ、どれが正解なのでしょうか?
そもそも、正解はあるのか。
あったとして、それはひとつなのか。
正解が無いとしたら、何がmore betterなのか。
「TEL.」は「TELEPHONE」の省略形です。
ピリオドが単語を省略していることを表しています。
さらに、一般的に良く使われる表現だと、ピリオドさえも省略されたりします。
たとえば「U.S.A.」とかはだいたい「USA」と表記されますよね。
そのあたりの詳しいいろいろはGoogle先生などにお尋ねいただければと思います。
ピリオドは「省略しているものがあるよ」ってことを表しているというわけですが、私はお恥ずかしながら、ピリオドが省略を表すことなんてすっかり忘れていました。
もはや知らなかったな〜くらいの勢いで、頭の隅の隅の方で隠れてました。
いや、気にしてなかった、という表現が一番当てはまるかもしれません。
だってなんなら略称を先に知ることのほうが多かったり、正式名称を知らないままのことだって結構ありませんか?
NPOとか、非営利団体のことだよね、ってことはわかってるけど、英語に強くないとその3文字がそれぞれ何を省略しているのか計るのってなかなか難しいです。
あと公的な名称だけでなく、なんでも略しちゃう文化も定着しつつありますし。
KSKとか。個人的にはDGDGのほうが好きですけど。(DAIGO大誤算)
…話が逸れました。
ただ、ルールとして覚えていないだけで、当たり前のように使ってはいるんですよね。
ちゃんと知らずに「こういうものだよね」って使っているもの、誰しも結構あるのではないでしょうか?
「それ」は「そういうもの」なんだとなんとなく思い込んで、そこに法則性を見い出さないまま今に至っているもの。
なんとなく使っても、それが間違ってなかったらべつに困ることもないから特に追求もしないし、ちゃんとは知らないままのらりくらり。
「なんとなく」といっても、それまでに得た経験値によってしっかり裏打ちされてるものだったりしますし。
ただ。
ちゃんと知っててやってる、のと、知らないでやってる、のってやっぱり違いますよね。
ピリオドは省略で、
そのピリオドさえも省略した表記をしているから、
結果こういう表現になっている。
ってことを知っていて仕上げることができる、「これで良し」と判断できて初めて、”プロ”と言えるのではないでしょうか。
プロと素人の違いは何かっていうと、やり方が違うってことだと、社長が言っておりました。
やり方とは「基礎」のこと。
基礎があるのが”プロ”なのです。
”「型」があるからこそ「型破り」ができる。
「型」がなければただの「形無し」だ。”
記憶から引っ張ってきたので実際の言い回しは少し違うかもしれませんが、歌舞伎役者の十八代目中村勘三郎さんが何かの媒体でそのようなことを仰っていて、それがとても印象的でずっと覚えています。(調べてみたら勘三郎さんもまた別の方の言葉に感銘を受け、自分の軸にある言葉として度々語られていたようです)
歌舞伎にはまったく詳しくないので語れることはありませんが、いわゆる伝統芸能の世界の中で、いつも攻めの姿勢で新しい事に積極的に取り組んでいるイメージがあった勘三郎さんは、基礎をとても大事にされていて、お子さんたちにも小さい頃から厳しく教え込んでいたとか。
確かに、どんな世界でも、大成している人は基本的な部分がとてもしっかりしていますよね。
「守破離」という言葉がありますが、それも同じマインドかと思います。
師匠からの型を「守」り、
習得・研究して自分の型を作る=型を「破」る、
それら全てを基本として自分を確立、理解しきった時には、型を「離」れ、
自在になれるということだそうです。
「基礎」をしっかり築くことの大事さに納得させられると同時に、
基礎を固めたその先にたくさんの可能性が広がっていることを感じることができます。
「これはこうあるべき」ということを知っていて、それができるということ。
「これはこうあるべき」が特に無いのなら、より最適なものは何かを選択でき、実行できること。
また『こうあるべき』とされるものがあるか無いかを知ってる・判断できる、のもプロの必須能力ということになりますね。
情報を伝えるのがグラフィックデザイナーの仕事ですから、文章表現の基礎は私がしっかり保持しておかなければならない能力のひとつなわけです。
気づかず放って置いてしまっていること、他にもありそうです。
もっともっと勉強が必要だー!と思いました。
もしも、よい参考文献をご存知でしたら是非お教えいただきたいです。
コメント