マーケティング戦略講座

人は「見かけの情報」に影響される

基礎

あなたは何かを買う時に何を基準に買い物をしますでしょうか?

買うものによって基準は様々ですよね。

コモディティと言われている日用品。トイレットペーパーやラップ、石鹸や乾電池などの消耗品はどれを買っても同じようなものなので、一番安いものを買ってしまいませんか。もちろんトイレットペーパーも二重巻きか一重巻きかの好みはあるにしても、二重巻きの中で最安値のものを買ってしまいます。

日用品はコンビニで定価で買うよりもスーパーで少しでも安いものを買ってしまいます。基準はおおかた価格になりますね。

それではビジネスに関して投資、または経費としてお金を使う場合はどうでしょうか。

例えば司法書士を探していたとしましょう。ホームページで「司法書士 東京」で検索するとGoogleで813万件ヒットします。Yahooでは811万件。この中から我慢して上から見て行ってもせいぜい20から30件が限度でしょうか。

その中で何を基準として決めるのでしょう?

●価格

●実績、経歴

●専門性

これだけならば、価格は表にして、実績や専門知識は文章にしておけばそれですみます。読んだ人には正確に確実に伝わります。このような言葉によるコミュニケーションをバーバル(言語)コミュニケーションと言います。

しかし、人間はバーバルコミュニケーションだけでは行動しません。言語による情報は意識の中には入りますが、潜在意識の中にまでは入っていかないのです。心の奥深くまで入り込む情報はノンバーバル(非言語)と言われるコミュニケーションが必要です。

●人柄( 顔写真の表情、服やネクタイの趣味)

●サイトの雰囲気(色、書体、イラストや写真などの図柄)

●読みやすさ(文字の大きさ、行間の幅、1行の長さ)

これらの言葉を用いないコミュニケーションをどのように使って見る人の気持ちや感情に働きかけるかが重要なのです。

「3Vの法則」というものがあります。「7-38-55のルール」とも言われていますが、この数字は人が情報を受け取る時に影響を及ぼす要素の割合です。「言語情報=Verbal」が7%、「聴覚情報=Vocal」が38%、「視覚情報=Visual」が55%の割合で人は影響を受けるということなのだそうです。頭文字の3つのVを取って「3Vの法則」と言われており、メラビアンの法則ともいわれています。

言っている内容はたった7%しか影響を与えず、視覚情報が半分以上影響を与えるといいます。まあ、7%というのはどうかと思いますが、 見た目が圧倒的に重要という事です。

取引したいと思ってもらうにはこのノンバーバルコミュニケーション、つまりデザインが重要です。

おおかたの司法書士のホームページを見てみるとみんな同じような構成で似たようなデザインです。中の文章を読んで見ても、同じです。同じように真面目そうで同じようなサービス内容でみんな同じようなイメージ写真が使われています。

これって何かに似ている…。スーパマーケットのコモディティと同じ状態ですね。このままでは価格で選ばれてしまいます。

司法書士さんのサイトを20も30も見て行く時は、ほとんどの人は印象で「そのページを見てみようかそれとも飛ばそうか」という事を瞬時に判断します。他のサイトと印象が似てしまうともう見てもらえません。ちょっと変わった印象やインパクトのあるコピーや写真が出てくると目を留めてもらえます。そして初めて中の情報を読んでくれるのです。

そこには差別化が必要です。

では他と違ければ良いのかといえばそうとも言えません。

例えば司法書士のホームページであれば、まずは信頼感があり知的な印象がなければなりません。法律のイメージを演出させる写真などがあっても良いでしょう。

しかしこのようなホームページもたくさんあってみんな同じように見えてしまうのが現実です。

重要なのはその次。「ターゲットに喜ばれる世界観」があるかどうかです。

司法書士事務所と言っても様々です。大企業をターゲットにしているのか、個人事業の人なのか、大企業ならば堅くてモダンなデザインで行くべきだし、個人事業ならば話しやすく親しみやすい明るいイメージが良いでしょう。笑顔の写真を大きくトップページに置いたり、呼びかけ言葉のコピーをくだけた書体で表示するとか。

そうすると大企業のお客さんはこういったイメージの会社はスルーしますが、それで良いのです。そもそもターゲットではないのですから気にしない。逆に個人事業の人には注目してもらえるでしょう。

さらに次の段階では同じターゲットにしている競合司法書士事務所とどのように差別化するかです。この段階でなくてはならないものが強みです。

その事務所しか持っていない強みを一番前に出すのです。

こう言った段階を経てホームページ作らなければ見てもらえません。

ここでやっといいたいこちが書かれた文章を読んでもらえるのです。

SEOで上の方にあるからと言って安心している方が多いのですが、ホームページをこのような仕組みで作れば今の何倍も問い合わせがくるかもしれないのに。機会損失している事に気づいていません。

穴のあいたバケツに、水を注いでいるようなものなのです。

穴が小さく水が大量に流れればバケツに水は溜まっていくでしょう。穴が大きければどんどん減って行きますが、底の方に溜まった水を見て満足してしまっている人は多いのです。モッタイナイ!

ぜひ皆さんも自分のお客様の視点でご自分のホームページをチェックしいてくださいね。

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