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「ノイエデザイン」という社名の最後の日に想う事

1998年の年も押し迫った12月。有限会社ノイエデザインは生まれました。赤坂のTBSの本社の裏手にあった雑居ビルで、友人のデザイナーと家賃をシェアしていました。「クマガイデザイン」という個人事業で独立して、2年半たった頃で、お蔭様でいろんなお仕事をいただき、忙しくしていました。もう18年も昔の話で、懐かしく思い出されます。2006年、有限会社から株式会社にし、従業員も雇い、そして10年がたち今に至ります。

noiedesign

明日、弊社は2016年6月1日より、社名を「株式会社ノイエ」に変えて、新しく再スタートいたします。

なぜ「デザイン」の文字を取ったのか?ばりばりのグラフィックデザイナーの僕が社名から「デザイン」の文字を取ってしまう事は躊躇しました。
「デザイン」が大好きだからこそ、世の中にもっとデザインの価値をわかってほしい。もっとデザインに関心を持ってほしい。そう思い続けてきました。しかし、一部の大企業以外は、というか、ほとんどの会社はいまだにデザインに関しての理解がとても不足していると感じるのです。

その原因となっているのは、デザイナーがきちんと「ビジネス」の世界に向き合っていないから。だから、デザインというものをきちんと理解してもらえないのだと思います。この事はもう十何年も言い続けてきました。デザイナーにとってデザインの目的が「ビジネスに貢献する事」ではなく「自分の好きなデザインを作る事」になってしまっている。

中小企業の社長さんからよく言われるのは「カッコイイデザインを高い金を払って作ってもらったけれど、全然売れなかったよ」「デザイナーに騙された」「デザインはまだ結構。もっと稼いでお金ができたら考えるよ」

などという言葉です。「かっこいい=売れる」訳では決してないのですが、じゃあどうやったら売れるデザインが作れるのか、という事を大部分のデザイナーは知りませんし、デザイン学校でも教育しません。

というか、クライアントのビジネスが成功するかどうか、という事に関心がない。僕はその事に驚いてしまうのです。

だから社名に「デザイン」という言葉がついているだけで、無意識に嫌厭されてしまうのを感じてきました。デザイナーが「デザインってビジネスにとって大切なんですよ」って言っても「そりゃあ、デザイナーはそう言うよねえ。仕事が欲しいからねえ」と思われてしまうのは無理もない話。デザインの価値をわかってくれるのなら、僕はデザイナーをやめてしまってもかまわないと思っています。

企業は事業を多角化をするときに、社名を変えてきました。
古くは「松下電気器具製作所」が「松下電器産業株式会社」そして「パナソニック株式会社」へ。僕が昔在籍していた「花王石鹸」は「花王」に。「ブリヂストンタイヤ株式会社」から「株式会社ブリヂストン」に。「富士写真フィルム株式会社」は「富士フィルム株式会社」に。「Apple Computer」は「Apple」に。花王は今でも石鹸も作って売ってますが、その他の様々な生活用品を発明しています。Appleはコンピュータも売っていますが、主な収入はアプリやiTuneで利益を上げています。企業は社名を変えることで新しい可能性を広げていっているように思われます。

「株式会社ノイエデザイン」は明日から「株式会社ノイエ」という名前になりますが、もちろんこれからもデザインを提供していきます。そして、デザイン会社という事を超えて、ビジネスを伸ばしていくための手段としてデザインを用いる。ビジネスを伸ばしていくために、デザイン以外の手法も提案する。企業の売り上げを伸ばしていくために、様々な商品や経営を伸ばすコンサルティングのサービスを開発していきたい。そう考えています。

中小企業の経営者に、「ビジネスの成長にはデザインは欠かせないね」「うちの会社もデザインに投資しなければ生き残れないな」「ライバルに勝つためにデザインに力を入れたい」という言葉を言ってもらいたい。そんな世の中が来るのを待ち望んでいましたが、待つのではなく、そんな世の中を私たちが作っていくぞ!とそんな風に気持ちが変わってきました。その実現のための社名変更です。

どうかこれからの株式会社ノイエを応援してください!
よろしくお願いいたします。

 

 

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熊谷淳一

熊谷淳一

株式会社ノイエ 代表取締役。デザインで経営を伸ばす経営コンサルタント・クリエイティブディレクター。デザインは第5の経営資源としてデザイン経営とマーケティングの研究にいそしむ。 お酒、書と陶芸が好き。 尊敬する人は岡本太郎。
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