クマデ総研

のいえちゃん

ドラッカーの言う「顧客の創造」のために必要なもの

ビジネスで一番大切なものはなんだと思いますか? 質問が漠然としていて答えにくいでしょうか。

それでは、商品が大切か?お客様が大切か?どちらでしょう。

商品がなければお客様は来ないから商品かな…。 商品があってもお金を持ってきてくださるお客様がいなければ意味ない よな…。

などと僕もこの質問を考えていました。
商品がなくても「いいこと教え てあげるからお金ちょうだい」と言ってもビジネスは成り立つ場合が あるよなあと思い、「君のことが気に入ったからお金をあげよう」なんて 場合もゼロではないし、などと考えつつなんとなくお客様のほうが大切 かなあという気がしていました。

この問いに正解はたぶんないとは思いますが、 ドラッカー博士はこう 言っています。

「事業の目的として有効な定義はただ一つである。それは、顧客を創造 することである」(1954年「現代の経営」)

「定義はただ一つ」というかなり強い口調で宣言しています。 なるほど、お客様をたくさん創ることが出来れば、儲かってしかたない よなあ。でもどうやって?

どうやって創るのか、その答えをドラッカー博士はこう言っています。

「企業の目的は、顧客の創造である。したがって、企業は二つの、そして 二つだけの基本的な機能を持つ。それが、マーケティングとイノベーション である。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。」 (「マネジメント-基本と原則」)

ここでも「二つだけの基本的な機能」 「マーケティングとイノベーション だけが成果をもたらす。 」ときっぱりと断言をしています。「だけ」が 2回も出てきます。それだけ重要ということですね。

マーケティングとイノベーション。どちらも新しい言葉ではありません。 しかし特にここ10年くらいはビジネス雑誌やビジネス書籍に「イノベー ション」と言う言葉が数多く使われています。

イノベーションも様々な定義がありますが、最大公約数的に言えば 「革新的な発明」という意味でしょうか。より大きな価値、新たな価値 や行動を生み出し、市場や社会に変化を与えるもの。

例えばiPodです。 今までになかったね、こういうのが欲しかったね、という商品やサービス で、なおかつ音楽の売り方や聞き方を変えてしまった発明品。「市場や 社会に変化を与えるもの」というところがキモですね。ただのグッド アイデアはすぐに消えていきます。

「いいものを作れば売れる」…とは限らない!今まではそうだったけれど これからの時代は違うんだ。だから今はマーケティングが重要だ!と いう言い方がされています。僕もそんな言い方したことがありました。

しかしドラッカーは「イノベーションだけではなく、マーケティングも 大切なんだ、この2つが、2つだけが基本的な企業の機能である」と 言っています。 なんだ、昔からマーケティングも重要だったんじゃないか! 僕も言い方を変えなければ。

ではその重要なマーケティングとはどのような意味なのでしょうか。 この言葉ほどいろんな人がいろんな意味で勝手に使っている言葉はあり ません。 ドラッカーが言うマーケティングとは 「マーケティングの究極の目的は販売を不要にすること」であり、 「製品あるいはサービスが顧客に適合し、ひとりでに売れてしまうほど 十分に顧客を理解することである」

つまりマーケティングは「買ってもらえるようにすること」。営業は 「売ること」で企業側の視点ですが、マーケティングは顧客側の視点に 立っています

「販売を不要にすること」とは、営業マンを雇用できない小さい会社に とっては胸のすくような言葉です。営業しなくても売れるって夢のよう ですよね。でも「ラクして売れる」とはドラッカー先生も言っていません。

現代の日本で、イノベーションとマーケティングが成功している企業に ユニクロがあります。ここの社長の柳井氏はドラッカーをよく研究して いて、肌着界のイノベーション商品「ヒートテック」が大ヒットした 時のインタビュー記事ではこう述べていました。

“ドラッカーが言っているんですけど、顧客の声だけ聞いても、その声は 何万分の一の顧客の声かもしれない。だから顧客以外の人が「なぜ買わ ないのか?その人たちに買ってもらうためには何をしたらいいのか?」 ということを考える必要がある。さらにはお客様に服を一枚買って もらったら、その次にまた買いたいと思ってもらうにはいったい何を したらいいのか、みたいなことがおそらく商売の基本だと思う” これはマーケティングのテクニックでもなく理論でもなく、本質では ないでしょうか。

どうしても企業は自分たちが作りたいものや作れるものしか作らずに 顧客に売ろうとする。そして現在の既存の顧客だけ見てしまいがちです。 これは企業の規模は関係なくその傾向があるようです。 「顧客の創造」を実現するために、私たちはお客様のことを本当に考え、 理解しようとしているのか。 今出会えていないお客様にこちらを向いて いただくために何をすれば良いのか、 もっと真摯に考えていく必要が あるかもしれません。

(メルマガ『経営を伸ばすためのマーケティング&デザイン』第2号より)

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熊谷淳一
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名前 : 熊谷淳一

株式会社ノイエ 代表取締役。デザインで経営を伸ばす経営コンサルタント・クリエイティブディレクター。売れるデザインをつくるためにマーケティングの研究にいそしむ。酒好き。書と陶芸好き。尊敬する人は岡本太郎。

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