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目に見えないサービスの対価をどのように評価するのか

CNETによるとヤフーが個人の技能などが出品できる「スキル、知識」カテゴリの提供を開始したとか。

「「スキル、知識」カテゴリでは、出品者が自分のスキルや知識を商品として出品できる。具体的には、映像・音楽制作、写真撮影、翻訳・通訳、楽器演奏レッスン、趣味・スポーツの指導、歌唱、司会、ナレーション、パフォーマンスの実演、イベント・講演の開催、家事代行、ファッションコーディネート、着付け、自転車の組み立てやメンテナンス、ゴルフ用品の修理などが対象になるという。」

物品のオークションならばイメージが湧くのだけど、形のない「スキル、知識」をオークションで販売するとはいったいどういう事なのか?実際に見に行ってみました。

写真の修整で、眼鏡を消す画像修正が1980円。
商品をよりよく見せる修正が2980円。作例として枝豆の暗い写真が明るく鮮やかにおいしそうな写真になっている。こんなの僕なら1分でやっちゃうけれど、こんな程度でクライアントさんにはこの値段は請求できないな。眼鏡を消す方が難易度高いし、これだと1980円なら安いくらい。どちらの人も入札はまだない。

貴方だけが使えるオリジナル楽曲を制作します。70000円。
サンプルを聞いてみたら、シンセサイザーばりばりの打ち込み系の曲。似たようなのはフリーで腐るほどあるし。作ってもらったらいったいどんな曲になるのだろうか?

似顔絵書きます。500円。作例を見るとまったくの落書き! 誰の似顔絵かも書いていない。何じゃこりゃ。あなた、世の中なめてるね。しかし似顔絵は各人の力量がわかりやすいのでビジネスになるかもしれません。匿名で出品できるのでひどいものも多いようです。

サービスの対価をどのように評価するのか。それもまだ受けてもいない目の前にないものに対して値付けをするというのは非常に難しい事ですね。

そう考えるとデザインを依頼する人の気持ちもこれに似たような困難さや恐怖感があるのでは、と考えてしまいます。デザインもオーダーメイドですのでまだ目の前にはありません。ロゴマークが30万円です。と言われて、その価値がいったいあるのかどうなのか、どんなものができるのだろう、という不安。他社の事例で他のデザインは見る事ができるけれど、自分の会社のロゴはどんな風になるのか?気に入らなかったら修正はどのくらいしてくれるのかな?などなど価値と価格が釣り合っているのかどうなのかわからないというクライアントさんの気持ちはデザイナーとしてもよくわかる気がします。

思った以上のものができて初めて「あ〜良かった。安心した」と感じていただけるのだろうな、と思いますので、僕たちは手を抜かないで一生懸命に仕事をしています。だからいつもサービスしすぎてうちは赤字の気分です。まあ、満足していただければそれでいいのですけどね。

ヤフーのオークションで結婚式のプロフィールビデオ制作9800円がありました。
この制作会社のサイトへ聞くとサンプル映像が載っています。 この会社のメニューではそれを9800円で販売している!
オイオイ、オークションって価格が上がって行くんだぜ。オークションを使って定価よりも値をつり上げて売ろうっていう魂胆なのかい? それってどうなんでしょうか?知らずに定価より高く買ってしまったあとにこのページで定価を見つけたらどんな気持ちになるのか。まあ、即決で落札するならいいですけどね。

 

 

デザイン
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熊谷淳一

熊谷淳一

株式会社ノイエ 代表取締役。デザインで経営を伸ばす経営コンサルタント・クリエイティブディレクター。デザインは第5の経営資源としてデザイン経営とマーケティングの研究にいそしむ。 お酒、書と陶芸が好き。 尊敬する人は岡本太郎。
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