展示デザイン

インターネットに関して

インターネットのホームページの役割としては、ミュージアムについての情報の告知は、当然考えられますが、もう一歩踏み込んだ使い方が求められます。「バーチャルミュージアム」と銘打って、常設展示を細かく見せていくような企画が見受けられますが、一通り見てしまうと、ミュージアムまで出向いてまで見に行く気がなくなってしまう場合が多いのではないでしょうか。あくまで、展示のコンセプトや、紹介にとどめ、期待感を高めるような企画にするべきです。日常の中の、疑問点や、不思議だなと思うことを投げかけて、その答えをミュージアムに来て、自分で考え、発見させるような役目を持たせたらどうでしょうか。また、展示を見て帰ってきた人に向けて、関連した他の分野への情報や、より深い研究のために活用できる物であればミュージアムへの来場者も増えるのではないでしょうか。その他に、友の会の会員同士や、学芸員との情報交換や、コミュニティ空間など、コミュニケーションツールとしての可能性は、たくさんあります。

サインに関して

ミュージアムは、多くの人が訪れ、様々な施設や部屋が集合しています。大規模なミュージアムになると、サインの数も数百点にもなるので、しっかりしたサインシステムが必要になってきます。たいていサイン工事は、建築会社の範疇に入る事が多く、展示のイメージ内合ったデザインというよりも、建築デザインに合わせたデザインになってしまっていたり、既製のサインを使用してオリジナリティのない無個性な物になってしまうケースが多く見られます。ミュージアムのアイデンティティに則した、オリジナルのサインが欲しいと思います。既製のサインでお茶を濁すことは、サインのデザインによる空間演出という重要な機能を無視しているといえるでしょう。

ミュージアムショップに関して

展示内容や、館のコンセプトと関連のない、ただの観光おみやげやさん的存在のショップも少なくありません。ミュージアムショップとは、展示の一部であり、展示の延長でなければなりません。そこには、知的好奇心を満足させる物や、展示との関連を示す説明や、パネルがあると、わかりやすいでしょう。ミュージアムで見たこと、体験したことにより、触発された知的関心に応え、家に持ち帰ったあとにも、研究を深めたり、興味を維持するような物をそろえるべきです。それには、各ミュージアムのオリジナル商品を開発する必要もあるでしょう。コストはかかるかもしれませんが、質の高い物であれば、収益も見込めます。欧米のミュージアムなどは、インターネットによる通信販売や、百貨店に並べられ、高い収益を生んでいます。オリジナルの商品開発には、きちんとした企画と、プロダクトデザイン、グラフィックデザインが重要です。物の販売に関わる、販促ツール、パッケージデザイン、パンフレット、カタログ、ポスターなどのデザインも、大切になります。これらのツールは、物をたくさん販売するためというよりも、展示のコンセプトとの関わりをアピールし、知的関心を満足させるためのツールでなければなりません。図録や、パンフレットも、記念品として買っていくけれど、家に帰ると、開かれることのないような退屈な物や、研究資料集みたいな、関心のある人だけ、見てくれればよいみたいな物もあります。ミュージアムで体験したことを、より定着させ、関心を高めて、維持し、次のステップへ持っていくような、アフターフォロー的な内容の物はあまり見かけません。コストの問題、スタッフの問題など、いろいろ課題はあるでしょう。しかし、展示の解説パネルのデザインが、デジタルデータでつくられているので、そのデータを2次利用して、低コストで再編集することは、可能なのではないでしょうか。1世帯に1台のパソコンが普及する時代が、もうすぐ来るでしょう。そうすれば、印刷するよりも、CD-ROMの形で、プレスした方がコストもかからず、エデュテイメントソフトとして販売も可能になります。さらに、ソニーのプレイステーション2がDVDを再生できるようになったので、これが普及すれば今後は、CD-ROMからDVD-ROM の時代へ移行するかもしれません。DVD-ROMによる図録、カタログと、インターネットによる検索サービスやデータベースシステムが加わると、家庭に於いて、ミュージアムでの体験や、感動を追体験し、研究を深めていくツールとなっていくでしょう。

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コラム『経営を伸ばす 視覚伝達デザインの鉄則』

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